夏になると、「猫も暑そうだなぁ」とエアコンの温度を気にしたり、新鮮なお水を用意したりする飼い主さんは多いですよね。
でも、夏にはもうひとつ、意外と見落としがちな存在がいます。
それが「蚊」です。
「猫って蚊に刺されるの?」
「毛があるから平気なんじゃない?」
「室内飼いなら関係ないでしょ?」
そんな疑問を持つ方も少なくありません。
実は、猫も蚊に刺されます。そして、単に「かゆい」で終わらないケースがあることも知っておきたいポイントです。
今回は、猫と蚊の関係について、夏に知っておきたい基礎知識をわかりやすくご紹介します。
猫もちゃんと蚊に刺されます
ふわふわの毛に覆われている猫を見ると、「蚊なんて刺せないのでは?」と思ってしまいますよね。
しかし実際には、毛の少ない部分を中心に蚊は猫の血を吸います。
特に刺されやすいのは次のような場所です。
- 耳
- 鼻
- まぶたの周り
- 肉球の近く
- お腹など毛が薄い部分
猫は人間ほど「かゆい!」と大げさに反応しないことも多いため、刺されたことに気づかない飼い主さんも珍しくありません。
また、毛づくろいをしているうちに腫れが目立たなくなることもあります。

蚊が運ぶ病気にも注意したい
蚊は血を吸うだけではなく、さまざまな病気を媒介することがあります。
猫でよく話題になるのがフィラリア症です。
フィラリアは蚊を介して感染する寄生虫で、「犬の病気」というイメージを持っている方も多いでしょう。
実際、犬では非常によく知られた病気ですが、猫にも感染することがあります。
ただし、ここで知っておきたいのは、犬と猫では事情が少し違うということです。
猫のフィラリアは犬ほど多くありません
猫はフィラリアの本来の宿主ではありません。
そのため、蚊に刺されたからといって必ず感染するわけではなく、犬より感染率は低いと考えられています。
一方で、もし感染した場合には、少ない寄生数でも肺や呼吸器に影響を及ぼすことがあり、咳や呼吸困難などの症状が現れるケースもあります。
このため、
- 「完全室内飼いなら過度に心配しなくてもよい」
- 「万が一を考えて予防したほうが安心」
というように、予防に対する考え方は獣医師によって異なることがあります。
そのため、「絶対に予防すべき」「予防は不要」と一律に考えるのではなく、地域や住環境、猫ちゃんの生活スタイルを踏まえて、かかりつけの獣医師と相談することが大切です。
完全室内飼いでも蚊は入ってくる
「うちは外に出ないから安心。」
そう思いたくなりますが、蚊は意外なところから家の中へ入ってきます。
例えば、
- 玄関の開け閉め
- ベランダへの出入り
- ゴミ出しの短時間
- 網戸のわずかな隙間
など、人が気づかないうちに侵入してしまうことがあります。
もちろん、完全室内飼いは外猫よりリスクを下げる大きなメリットがあります。
しかし、「室内だから蚊はゼロ」というわけではないことも覚えておきたいですね。
猫用ではない虫よけは使わないで!
夏になると、人間用の虫よけスプレーやアロマを使うご家庭も多いでしょう。
しかし、人用の製品を猫に使うのは絶対に避けてください。
特に注意したいのが、精油(エッセンシャルオイル)を含む製品です。
猫は人間とは代謝の仕組みが異なるため、一部の精油成分をうまく分解できず、中毒を起こす危険があります。
また、人用の虫よけ成分を猫に直接使用することも安全性が確認されていません。
「蚊に刺されたらかわいそうだから」と良かれと思って使ったものが、逆に猫ちゃんの健康を害してしまうこともあります。
虫よけを考える場合は、必ず猫にも使用できる製品を選び、自己判断せずに獣医師へ相談することが大切です。

夏は蚊だけでなく、家の環境も見直してみよう
蚊対策というと「虫よけ」を思い浮かべますが、それ以上に効果的なのは蚊が入りにくい環境づくりです。
例えば、
- 網戸に破れや隙間がないか確認する
- 玄関やベランダの開けっぱなしを減らす
- 水たまりを放置しない
- 部屋を清潔に保つ
こうしたちょっとした工夫だけでも、蚊が家に入り込む機会を減らせます。
さらに、夏は熱中症対策や水分補給など、猫にとって気を付けたいことがたくさんあります。
蚊だけを特別に恐れる必要はありませんが、「夏ならではの注意点のひとつ」として覚えておくくらいがちょうどよいでしょう。
まとめ
猫は毛に覆われていますが、耳や鼻など毛の少ない部分は蚊に刺されることがあります。
また、蚊が媒介するフィラリア症は猫にも感染する可能性がありますが、犬ほど感染率は高くありません。その一方で、感染した場合には重い症状につながることもあるため、予防については地域や生活環境に応じて考えることが大切です。
そして何より覚えておきたいのは、人間用の虫よけを猫に使わないこと。
夏はエアコンや水分補給だけでなく、「蚊」という小さな存在にも少しだけ目を向けてみましょう。
猫ちゃんが今年の夏も快適に、そして元気いっぱいに過ごせるよう、できることから少しずつ対策していきたいですね。

