猫と暮らしていると、「あれ?うちの子、今日ぜんぜん水を飲んでないかも…?」と不安になることがあります。
もともと猫は水をあまり飲まない動物ですが、飲まなさすぎると命にかかわることもあるため、しっかり対処する必要があります。
この記事では、猫が水を飲まない理由から、今すぐできる対策法、注意すべき病気の兆候まで、現役飼い主としての視点と最新情報をまじえてわかりやすくご紹介します。
なぜ猫は水を飲まないの?本能と体の仕組みを理解しよう

まず知っておきたいのが、猫はもともと砂漠出身の動物だということです。
そのため、少ない水分でも生きていけるように進化しており、「水を積極的に飲まない」というのはある意味で“普通”ともいえます。
しかし、現代の生活ではドライフード中心の子も多く、水を飲まないことはすぐに脱水に直結するリスクも。
とくに以下のような理由で飲水量が減ることがあります。
- 食事の水分量が少ない(ドライフードのみ)
- 水皿が汚れている
- 水の場所が気に入らない
- 年齢による変化(高齢猫になると感覚が鈍る)
- ストレスや環境の変化
- 病気の前兆
放っておくのは危険!猫の脱水症状とは?
猫は脱水していても表に出にくい動物です。
気づいたときには重症化していることもあるため、早期発見が大切です。
チェックしておきたい脱水のサイン
- 皮膚をつまんでも戻るのが遅い(首の後ろなどでチェック)
- 目がくぼんでいる
- 歯茎が乾いている・粘り気がある
- 元気がない、食欲が落ちている
これらが当てはまる場合、すぐに動物病院へ連れて行くべきです。
今すぐできる!猫が水を飲みたくなる7つの工夫

水分補給は、ちょっとした工夫で大きく改善することがあります。
ここでは、実際に多くの飼い主さんが効果を実感した対策を7つ紹介します。
1. 水飲み場を複数用意する
猫は意外と「ここでしか飲みたくない」などのこだわりが強い生き物です。
リビング、寝室、キッチンなど、複数の場所に水を置くだけで飲む頻度が上がることがあります。
2. 食事に水分をプラスする
ドライフードに少しぬるま湯をかけたり、ウェットフードを混ぜたりするだけで水分摂取量がぐっと増えます。
嫌がる場合は、無理せず少量から始めましょう。
3. 猫用の自動給水器を使う
流れる水を好む猫も多くいます。
自動で循環するタイプの給水器は、常に新鮮な水を提供でき、飲水量の向上につながることも。
4. 水の器を見直す

プラスチック製のボウルを嫌う猫もいます。
陶器やステンレス製で、浅めで広いタイプの器や、猫に配慮して作られたウォーターボウルに変えると、飲みやすくなる場合があります。
5. おやつで水分補給
最近は水分の多い猫用スープやおやつも多数あります。
あくまで“おやつ”の範囲で取り入れるのがおすすめです。
6. 氷を浮かべてみる
夏場は特におすすめ。
氷を水に浮かべるだけで興味を持ちやすく、遊びながら水を飲んでくれることもあります。
7. 香りを足して誘導する
チキンやかつおの煮汁を少しだけ混ぜると、香りにつられて飲んでくれることも。
ただし、塩分は控えめにし、猫用に調整されたものを選ぶようにしましょう。
病気が隠れているかも?見逃してはいけないケース
単なる“気分”ではなく、体調の変化や病気が原因で水を飲まないケースもあります。
とくに注意したい病気
- 慢性腎不全(高齢猫に多い)
- 尿路結石や膀胱炎
- 口内炎や歯周病(痛くて飲めない)
- 胃腸の不調
- 糖尿病
数日間まったく水を飲まない、トイレの回数が減っている、嘔吐が続いているなどの場合は、迷わず動物病院へ。
「飲ませなきゃ…」と焦る前に知っておいてほしいこと
猫に水を飲ませようとすると、つい焦ってしまいがちですが、
“飲ませる”より“飲みたくなる環境を整える”ことが大切です。
猫の個性にあわせて、あれこれ試してみることが最大のポイント。
なかには「食器を変えたら突然飲み始めた」というケースもあるほどです。

まとめ|“うちの子仕様”の水分補給を見つけよう
猫が水を飲まないときの対処法は、一つではありません。
ちょっとした工夫や観察の積み重ねが、猫の健康と命を守るカギになります。
最後に、今日からできるチェックポイントをまとめておきます。
✅ 水の器は清潔?素材や形状に問題はない?
✅ 家の中に水場が1つだけになっていない?
✅ 食事に水分をプラスしている?
✅ 体調に変化はない?トイレの回数・食欲は?
猫が水を飲む=生きる力そのもの。
ぜひ、うちの子だけの“水分補給スタイル”を見つけてあげてくださいね。