凛とした立ち姿、まるで宝石のように輝く青い瞳。そして、どこか人間のように深く訴えかける視線。シャム猫は、その見た目だけでなく、内面にも強く惹きつけられる魅力を秘めています。
この記事では、シャム猫という存在の神秘性と高貴な魅力に迫りつつ、飼い主として知っておきたい特徴や注意点、さらに意外な一面までご紹介します。

シャム猫のルーツは「王族の猫」
シャム猫は、古代タイ(旧国名:シャム)原産の猫。その起源は少なくとも数百年前にさかのぼり、タイ王室や寺院で大切に飼われてきた歴史があります。
「王族にしか飼うことが許されなかった」という説があるほど、神聖で特別な存在とされてきたのです。
そのため、シャム猫にはどこか誇り高い雰囲気が漂っており、現在でも“高貴な猫”として多くの愛猫家に支持されています。
見た目だけじゃない!知れば知るほど奥深い特徴
① 青い瞳はただの美しさじゃない
シャム猫の瞳は、透き通るようなサファイアブルー。これは遺伝的にメラニン色素が少ないためで、まるで吸い込まれるような神秘的な印象を与えます。
実はこの青い瞳は視力に影響することもあるとされており、光の感じ方が他の猫とは異なる場合もあります。ただ、それが彼らの感受性の高さにもつながっているとも言えるでしょう。
② 「ポイントカラー」ってなに?
シャム猫の最大の特徴のひとつが、耳・顔・足・しっぽなどに濃い色が入るポイントカラー。
実はこれ、体温の低い部分に色素が沈着する遺伝子の働きによるもので、子猫の頃は全身白っぽく、生後数週間で徐々に色が出てくるというユニークな性質を持っています。
成長や環境によって毛色が濃くなったり薄くなったりするため、同じ猫でも年を重ねると見た目が変化していくのも面白いポイントです。

シャム猫は“おしゃべり”!?性格のギャップも魅力
気品あふれる見た目から、「静かでおとなしい猫」を想像されることもありますが、シャム猫の性格は真逆といってもいいかもしれません。
① よく鳴く=よく話す
シャム猫は、とてもおしゃべり好きな猫として知られています。まるで人間と会話しようとするかのように、「ニャー」「アオーン」と多彩な声でコミュニケーションをとってきます。
「いま、かまってほしいよ!」「ごはんまだ?」など、感情表現がとても豊かで、まるで家族の一員のように会話が成立する感覚に驚かされることも。
② べったり甘えん坊な一面も
「高貴」なイメージとは裏腹に、シャム猫はとても甘えん坊。飼い主に対して深い愛情を示し、常にそばにいたがるタイプの猫です。
放っておかれることが苦手なので、留守が多い家庭よりも、日常的に触れ合える環境が向いています。
孤独を感じるとストレスがたまりやすいというデリケートな面もあるため、心のケアが大切です。
飼う前に知っておきたい注意点

シャム猫を家族に迎える前に、いくつか気をつけたいポイントもあります。
① 運動量が多く、刺激が必要
シャム猫はとても活発で知的な猫です。退屈な環境だとストレスをためてしまうこともあるため、遊び道具やキャットタワーなどの工夫が必要です。
おもちゃを隠して“宝探しゲーム”をするなど、知的好奇心を満たす遊びが喜ばれます。
② 温度管理にも気を配って
体温の変化が毛色にも影響するほど繊細なシャム猫。寒さにはやや弱い傾向があります。
冬場は温かい寝床を用意したり、部屋全体の温度管理をしっかり行うことで、快適な暮らしをサポートできます。
シャム猫の魅力は「気高さ」と「親しみやすさ」の共存
シャム猫には、まるで人間と心を通わせているかのような賢さと感受性があります。
一見ツンとした雰囲気の中に、あふれる愛情と甘えん坊な心を秘めた、まさに“ギャップ萌え”な存在です。
飼い主に強く依存する傾向があるため、「たくさん話しかけてくれる」「寄り添ってくれる」猫と暮らしたい方にはぴったりのパートナーと言えるでしょう。
まとめ:その青い瞳の奥にある、深い心を感じて

シャム猫は、見た目の美しさだけでなく、人との深いつながりを築ける特別な猫です。
鳴き声や表情で気持ちを伝え、時にはツンと、時にはベッタリと…その絶妙な距離感こそが、長く愛されてきた理由なのかもしれません。
もしあなたがシャム猫と暮らすことになったら、その青い瞳の奥にある心の声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
きっと、人生が少しだけ豊かになります。