1. HOME
  2. 素敵ねこ
  3. 『猫は小さな侍?』— 武士と猫の静かなる縁の物語
刀を前にお座りしてる猫

『猫は小さな侍?』— 武士と猫の静かなる縁の物語

投稿者:もふねこ編集部

猫の食事用マット パウ・マット OMOCHI 猫の食事用マット

こんにちは、猫好きのみなさん。
今回はちょっぴり歴史の旅へとご案内します。
テーマはなんと…「武士と猫」。一見、意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、
その関係をたどっていくと、しずかに寄り添ってきた深い縁が見えてくるんです。

武士の屋敷に“ねこ番”がいたってホント?

江戸時代。武士たちの屋敷は、見た目こそ格式高く立派ですが、内部には大切な書物や米蔵がずらり。
そしてそれらを狙ってやってくるのが、ネズミたち

そんなとき、登場したのが——猫!

実は、猫はネズミ退治のエキスパートとして、武士の屋敷でも重宝されていたんです。
特に、巻物や紙を守る必要があった書庫では、猫が「番人」のような役割を果たしていたと言われています。

当時の記録にも「猫を大事に扱うべし」と書かれていることがあり、
猫は“ねこ番”として正式に飼われていた例もあるそうですよ。

豪徳寺に伝わる、猫と大名の“ありがたきご縁”

豪徳寺の招き猫

猫と武士の関係を語る上で外せないのが、世田谷の豪徳寺にまつわる伝説です。

時は江戸時代。彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰り、突然の雷雨に見舞われたときのこと。
木の下で雨宿りしていると、近くの寺の門前に白猫が手招きしているのを見かけます。

「おや? 招いている…?」
と不思議に思い、ふらりとその寺へ。すると、すぐに雷が落ちて木が真っ二つ。
命拾いをした井伊直孝は、そのお礼に寺を支援したのだとか。

このときの“招き猫”伝説が、現代の「招き猫」の原型とも言われています。
武士と猫が命を救い合った、なんとも心温まるお話ですね。

浮世絵や根付にも登場!?猫と武士の美しい意匠

歌川国芳の「其のまま地口 猫飼好五十三疋」

猫はその可愛らしい姿だけでなく、しなやかで品のある所作から、江戸の美意識にもマッチした存在でした。

江戸後期の浮世絵師・歌川国芳は、とくに猫好きとして有名。
彼の作品には、猫を擬人化して武士に見立てた絵や、
猫が登場するユーモラスな風刺画がいくつも存在しています。

また、当時の男性が身につけていた小物「根付(ねつけ)」にも、
猫の姿が彫られたものが見つかっています。
刀や着物に“猫模様”が使われることは稀でしたが、
粋な武士たちが、密かに猫モチーフを楽しんでいた可能性もあるのです。

猫の“静けさ”に、武士の心が重なった?

戦国時代や江戸時代、武士たちは「無駄のない所作」や「静かな集中力」を何よりも尊びました。
それは剣術にも、書道にも、日々の所作にも。

そんな価値観と、猫のふるまいは不思議と重なります。

  • 足音を立てずに歩く
  • 一瞬の動きに集中する
  • 必要以上には動かない

こうした猫のしぐさに、武士たちは“心の美”を感じていたのかもしれません。
まるで、猫が小さな侍のように見えていたのではないでしょうか。

城跡や寺に、なぜか猫が多い理由とは?

お寺の猫

現代でも、全国のお城や武家屋敷跡、神社仏閣には、不思議と猫たちが集まってきます。
たとえば…

  • 松山城(愛媛県):猫が門番のように出迎えてくれることで有名
  • 会津若松城(福島県):周辺で地域猫たちがのんびりと暮らしている
  • 豪徳寺(東京都):招き猫だらけの空間で、猫好きにはたまらないスポット

これらの場所にいる猫たちは、観光客からも愛され、
まるでその土地の“守り神”のような存在になっています。

偶然かもしれません。でも、かつて猫と武士が心を通わせていた場所に、いまも猫がいると思うと、なんだか胸があたたかくなりますね。

おわりに:猫は“小さな侍”だったのかも

お城の道中にたたずむ猫

武士の時代。
きらびやかな刀や鎧のかげで、そっと息をひそめる猫の姿があったかもしれません。
戦を選ばず、争わず、けれど確かな気配と集中力で、自分の役目を果たす——

そんな猫の姿は、もしかすると、“武士の理想像”に一番近かった存在なのかもしれません。

猫は、決して語らず。
でもそのしっぽの動きや、じっとしたまなざしが、何かを伝えてくれる。
それはまるで、静かに生きる武士のよう。

だから今も、わたしたちは猫に“美しさ”や“誇り”を感じてしまうのかもしれませんね。