「なんだか、あの猫カフェって居心地いいよね」
ふとした休日に立ち寄った猫カフェ。
ふわふわの猫たちが思い思いにくつろぎ、人もまた、ゆるやかな時間を過ごしている。
あの心地よさの秘密、実は“空間の工夫”にあるのかもしれません。
今回は、猫カフェからヒントをもらいながら、猫にも人にも心地よい「くつろぎ空間」の作り方をご紹介します。
猫カフェって、どうしてあんなに落ち着くの?

まず、猫カフェ特有の“心がほどける感じ”って、どこから来るのでしょうか?
ポイントは大きく分けてこの3つ。
- 視線が低くて安心感がある
- 自然素材ややわらかい照明で五感がやさしく包まれる
- “強制しない”空気が流れている
猫カフェでは、家具が低めだったり、猫が安心して高所に逃げられる場所があったりと、猫の自由が守られている空間設計が基本。
すると、その空気は人間にも伝わって、「自分も無理せずにいていいんだ」と感じられるのです。
この空間設計、おうちでも応用できるんですよ。
【1】家具の高さを見直すと、猫も人も“目線”が合う
猫は「高いところが好き」なのはよく知られていますが、同時に目線の高さも気にする動物。
特にリラックスしたいときは、人の視線から少し外れた場所を好みます。
猫カフェでは、
- 背の低いソファ
- ローテーブル
- キャットウォーク
- 梯子のように登れる棚
などがうまく配置されていて、猫が自由に動き回れます。
自宅でも、ローテーブルに変えてみたり、ラグを敷いて座れるようにしたりするだけで、猫との距離が近くなり、自然とコミュニケーションが増えるようになります。
【2】やわらかい照明が“安心感”を生む

猫カフェは基本、間接照明が中心。
白い蛍光灯ではなく、電球色の照明やランプが多く使われています。
猫はまぶしい光を嫌がるため、やわらかい光が安心感を与えるのです。
人間にとっても、目にやさしく、リラックスしやすい環境になります。
自宅では、
- スタンドライトやフロアランプ
- カーテンで自然光をやわらげる工夫
- 夜は天井の照明を消して、間接照明だけにする
などの光の使い方を見直すことで、おうち全体の空気感がガラッと変わるかもしれません。
【3】においも“くつろぎ”の一部に
猫カフェでは、無臭〜微香程度の香りづかいがされています。
これは猫の嗅覚への配慮でもあり、人間のくつろぎにもつながる工夫です。
ご家庭では、香りよりも“においを消しすぎない”ことの方が大切かもしれません。
猫は人工的な香りに敏感で、不快に感じることもあります。
特にアロマオイルやお香などは、猫にとって有害となる成分を含むことが多く、使用は避けるのが安全です。
おすすめは、
- 無香料の洗剤や柔軟剤を使う
- 猫用のトイレやベッドの掃除をこまめに行い、清潔に保つ
- コットンやウッド素材など、自然素材そのものの“やさしい匂い”を活かす
猫と暮らす空間においては、「無臭」は安心材料のひとつ。
だからといって無機質になりすぎず、木のぬくもりや布の手ざわり、猫自身の香りを感じられる空間は、猫にも人にもやさしいのです。

【4】猫の「隠れられる場所」は、くつろぎ空間の核
猫カフェには必ず、
- カゴ型のベッド
- ハンモック
- 個室のような隠れ家
- キャットタワーの囲まれた空間
があります。これが猫にとっての“心の避難所”。
人がにぎやかでも、猫が「ここなら大丈夫」と思える場所があることで、安心して人と同じ空間にいられるようになります。
自宅にも、たとえば…
- 押し入れの一角を開けておく
- カーテンで仕切れるテント型ベッドを置く
- 段ボール箱をこっそり設置する
そんな些細な工夫で、猫にとっての“逃げ場”がある暮らしになります。
それが、最終的に人間の安心にもつながっていくんです。
【5】音と温度は、猫も人も快適にしたい

猫カフェでは、BGMがとてもやさしい。
自然音や、ピアノのインストゥルメンタルなど、“耳に心地いい音”が流れていることが多いですよね。
また、室温はだいたい25〜27度くらいに保たれていて、冷房・暖房の風が直接当たらない工夫も見られます。
ご家庭でも、
- エアコンの風向きを調整
- サーキュレーターで空気をやさしく循環
- テレビの音量は控えめにする
- 朝は窓を少し開けて自然音を入れる
など、「聞こえ方」「感じ方」まで意識してみると、
人にも猫にも「この部屋、なんだか落ち着くね」と感じられる空間になります。
【6】“やらせない”ことが、信頼を生む
猫カフェのもう一つの特徴。それは「強制しない」空気感です。
猫が寄ってくるのを待つ。
触らせてくれたら感謝する。
無理に追いかけたり、ポーズを取らせたりしない。
“猫がそのままでいられる場所”だからこそ、猫の方から人に近づいてくる。
そのやり取りを見ているだけで、心がほっとします。
これは家庭でもまったく同じ。
猫を迎えるのではなく、“猫に居てもらう”空間をつくる。
そう意識するだけで、暮らしの中に、猫との信頼関係を育む空気が生まれていきます。
猫カフェからのおすそわけ

猫カフェは、単なる「猫とふれあえる場所」ではありません。
そこには、猫も人も“ありのままでいられる空間”が用意されているのです。
そしてその空間は、特別な設備がなくても、小さな工夫でおうちにもつくれる。
- 家具の高さ
- 照明のあたたかさ
- 香りの選び方
- 隠れ場所の設計
- 音と温度の快適さ
- 猫に“しない”選択
これらを少しずつ意識することで、
あなたのお部屋も、猫カフェのような「くつろぎの場」へと変わっていくかもしれません。
猫がリラックスしていると、自然と人間も穏やかになれる。
そんな空間づくり、今日からちょっとずつ始めてみませんか?