「うちの猫は抱っこするとすぐ逃げちゃう……。」
「友達の猫は自分から抱っこをせがむのに、どうして?」
猫と暮らしていると、こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、猫の抱っこ好き・嫌いは、ひとつの理由だけで決まるわけではありません。
生まれ持った性格や猫種、子猫時代の経験、そして毎日の接し方など、さまざまな要素が組み合わさって今の性格ができあがっています。
今回は、猫が抱っこ好きになる理由、苦手になる理由を、わかりやすくご紹介します。
抱っこ好き・嫌いは「性格」だけでは決まらない
「うちの子は気まぐれだから。」
「ツンデレだから。」
もちろん性格も関係しています。
でも、研究や猫の行動学では、性格だけでは説明できないことがたくさんあると考えられています。
例えば、同じ家で育ち、同じように接していても、兄弟猫で抱っこ好きと抱っこ嫌いに分かれることがあります。
反対に、抱っこは苦手でも、いつも飼い主さんのそばで眠ったり、スリスリしてきたりする猫も珍しくありません。
つまり、「抱っこが苦手=人が嫌い」ではないということです。
では、何が抱っこ好き・嫌いを決めているのでしょうか?

1. 子猫時代の経験
もっとも大きな影響があると考えられているのが、子猫時代の経験です。
生後2〜7週頃は「社会化期」と呼ばれ、人や動物との関わり方を学ぶ大切な時期です。
この頃に、
- やさしく抱っこされた
- 人にたくさん触れてもらった
- 安心できる経験を積んだ
という猫は、人とのスキンシップを受け入れやすい傾向があります。
逆に、人と触れ合う機会が少なかったり、無理に抱っこされて怖い思いをしたりすると、「抱っこは苦手」と感じるようになることもあります。
もちろん大人になってから信頼関係を築くことはできますが、子猫時代の経験は、その後の性格にも影響しやすいと言われています。
2. 生まれ持った気質(遺伝)
猫にも、人間と同じように生まれ持った気質があります。
例えば、
- 甘えん坊
- 慎重派
- 好奇心旺盛
- マイペース
- 警戒心が強い
など、子猫の頃から性格の違いが見られることがあります。
また、こうした気質には遺伝が影響する可能性もあると考えられています。
実際に、同じ親猫の子どもたちが似た性格になることもあれば、兄弟でもまったく違う性格になることもあります。
遺伝だけですべてが決まるわけではありませんが、「生まれつきの個性」は確かに存在するのです。
3. 猫種による傾向
猫種にも、それぞれ性格の傾向があります。
例えば、
- ラグドールは比較的抱っこを受け入れやすい子が多い
- メインクーンは穏やかで人と過ごすことを好む子が多い
- ベンガルやアビシニアンは活動的で、抱っこより遊びを楽しむ子が多い
といった傾向が知られています。
とはいえ、猫種だけで性格は決まりません。
同じ猫種でも、「抱っこ大好き!」という子もいれば、「すぐ降ろして!」という子もいます。
猫種はあくまで参考程度に考えるのがおすすめです。
4. 毎日の抱っこの仕方

実は、人間側の抱っこの仕方も大きく影響します。
猫は体が宙に浮くことに不安を感じる動物です。
そのため、
- 足がぶらぶらする
- 強く抱きしめられる
- 長時間離してもらえない
こうした経験を繰り返すと、「抱っこは苦手」と学習してしまうことがあります。
逆に、
- お尻や後ろ足をしっかり支える
- 猫が嫌がる前に降ろす
- 自分から近づいてきたタイミングで抱っこする
などを意識すると、「抱っこ=安心できる時間」と感じてもらえる可能性があります。
5. 年齢や体調
以前は抱っこ好きだった猫が、急に嫌がるようになった場合は、年齢や体調の変化も考えられます。
例えば、
- 関節の痛み
- 筋力の低下
- 肥満
- ケガ
- 病気による違和感
などがあると、抱き上げられること自体が負担になることがあります。
特にシニア猫では、「性格が変わった」と思っていたら、実は体に痛みがあったというケースもあります。
急に抱っこを嫌がるようになった場合は、一度動き方や食欲などもあわせて観察してみましょう。
抱っこが苦手でも、信頼していないわけではありません
「抱っこさせてくれないから、嫌われているのかな……。」
そんなふうに感じる飼い主さんも少なくありません。
でも、猫にとって信頼のサインは抱っこだけではありません。
例えば、
- そばでくつろぐ
- スリスリしてくる
- ゴロゴロとのどを鳴らす
- ゆっくり瞬きを返してくれる
- 同じ部屋で眠る
これらも、猫が安心している証拠です。
抱っこは苦手だけれど、人は大好き。
そんな猫は実はたくさんいます。
猫それぞれに「心地よい距離感」があるので、その子に合ったスキンシップを大切にしてあげたいですね。

まとめ
猫の抱っこ好き・嫌いは、ひとつの理由では説明できません。
子猫時代の経験、生まれ持った気質、猫種の傾向、抱っこの仕方、そして年齢や体調。
これらが少しずつ影響し合って、その子だけの性格ができあがっています。
だからこそ、抱っこが苦手でも落ち込む必要はありません。
猫はそれぞれ違うからこそ面白く、愛らしい存在です。
その子のペースや気持ちを尊重しながら、「この人といると安心する」と思ってもらえる関係を少しずつ育てていけると素敵ですね。

