暑さが増す季節、愛猫が吐く回数が増えたように感じて不安になったことはありませんか?
「もしかして夏バテ?」「毛玉?それともごはんが合ってないの?」と心配する飼い主さんも多いことでしょう。
でも実は、「夏だから嘔吐が増える」というわけではありません。
では、なぜ夏に猫が吐くことが目立つのでしょうか?
今回は、季節による間接的な影響を含め、夏に増えがちな猫の嘔吐の理由と、その正しい対処法をわかりやすく解説します。
水分の摂り方と嘔吐の関係
夏は気温が高いため、猫も人間と同じように水分を多く摂るようになります。
ただし、ここで気をつけたいのが「飲み方」。
特に注意が必要なのは、
- 起き抜けに一気飲みする
- 運動後にがぶ飲みする
- 空腹状態で水だけを飲む
といったパターン。
これらは胃への刺激が強く、一時的に吐いてしまう原因になることがあります。
水自体はもちろん大切ですが、少量ずつ、こまめに飲めるように水の配置を工夫するのがポイントです。

エアコンによる「冷えすぎ」が胃腸に影響することも
「涼しくしてあげているのに、なぜか吐く…」
そんなときは、冷房の効かせすぎによる冷えも一因かもしれません。
特にお腹や足元が冷えると、消化器の働きが鈍り、未消化のフードを戻してしまうことがあります。
また、エアコンの風が直接猫に当たる位置も避けましょう。冷気によるストレスも影響します。
猫がよく寝ている場所の近くにタオルやブランケットを置くなどして、「自分で温度調整できる環境」を整えてあげることが大切です。
食欲低下 → 空腹嘔吐が増える
夏になると、猫によっては食欲が落ちて食事の時間があくことがあります。
その結果、胃液がたまりすぎて「空腹時の嘔吐」が起こるケースも。
このときに吐くのは、透明や黄色の液体が多く、いわゆる「胃液吐き」。
毎日朝方に吐いているようであれば、夜食に少量与えるなどして空腹時間を短くするのも効果的です。
毛玉の影響が「夏に表面化」する
春から初夏にかけての換毛期。
この時期に飲み込んだ毛が、夏になって毛玉として吐き出されることがあります。
「夏なのに毛玉?」と思うかもしれませんが、体内に溜まった毛はすぐには出てきません。
そのため、季節の変わり目から少し遅れて嘔吐が目立つようになるのです。
長毛種はもちろん、短毛種でもグルーミングが多い子は要注意。こまめなブラッシングで毛玉予防をしてあげましょう。
食べ物の劣化にも要注意
夏は室温が高くなるため、フードの管理が重要です。
特にウェットフードは開封後すぐに冷蔵し、早めに使い切ることが鉄則。
ドライフードも湿気を吸って酸化しやすく、酸化した脂は嘔吐や下痢の原因になることもあります。
密閉容器を使う、冷暗所に保管するなど、夏ならではの工夫が必要です。

どんな嘔吐なら様子見でOK?
猫は本来、毛玉や軽い胃の不調で時々吐く動物です。
特に以下のような場合は、様子見で大丈夫なことが多いでしょう。
- 食後すぐにフードをそのまま吐いた(早食い・食べすぎ)
- 毛玉を吐いた
- 1日1回程度、透明や黄色い液体を吐いたが、その後元気・食欲あり
とはいえ、頻度が多かったり、元気がない、何日も続く場合は、自己判断は禁物です。
病院に行くべきサイン
以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早く動物病院へ相談してください。
- 1日に何度も吐く
- 血が混じっている
- 食欲・元気が明らかに低下している
- 下痢や発熱を伴う
- 何も食べられない状態が続いている
「夏だから仕方ない」と決めつけず、体のSOSを見逃さないことが重要です。
猫の“夏嘔吐”対策まとめ
原因 | 対策 |
---|---|
水のがぶ飲み | 器の位置を分けて、少量をこまめに飲ませる |
エアコンの冷え | 風の直撃を避け、寝床に温かい素材を置く |
空腹嘔吐 | 食事回数を増やす/夜食を少量与える |
毛玉の影響 | 換毛期~初夏にかけてのブラッシング強化 |
フードの劣化 | 密閉・冷暗所で保管。開封後1ヶ月以内に消費 |
まとめ:夏だから吐く、とは限らない
猫の嘔吐は、単に季節のせいではなく、その時期特有の環境や生活習慣が関係していることが多いのです。
だからこそ、「夏だから仕方ない」と見過ごさず、日々の観察とケアを大切にしてください。
小さな変化に気づいてあげられるのは、いちばん近くで見ている飼い主さんだけ。
猫の快適な夏を支えるのは、私たちのちょっとした気配りなのです。