「うちの子、キャットタワーにまったく登らないんです…」
そんな声、意外と多いのではないでしょうか?
キャットタワーといえば、猫との暮らしに欠かせないアイテムという印象がありますが、実は性格や家庭環境によって向き不向きがあるのも事実です。
この記事では、猫の性格ごとにキャットタワーが“必要かどうか”を見極めるポイントと、最適な設置場所の考え方を詳しくご紹介します。
そもそもキャットタワーはなぜ必要なの?

キャットタワーは、単なる「遊び道具」ではありません。
猫の本能的な欲求を満たすための重要な役割を担っています。
● 高いところが好きなのは本能
猫はもともと、高所を好む動物です。野生時代から、木の上で周囲を見渡し、安全を確保するために登ってきました。
室内でもその本能は残っており、キャットタワーはその代替となる存在です。
● 垂直運動でストレス発散と運動不足の解消
狭い室内ではどうしても水平方向の運動に限界があります。
タワーによって上下運動ができるようになると、消費エネルギーが増え、ストレスも軽減されやすくなります。
でも使ってくれない…キャットタワーが“合わない猫”もいる?
もちろん、すべての猫にタワーが必要というわけではありません。
性格や年齢、身体的な事情によっては、むしろタワーがストレスになることもあります。
あなたの愛猫の性格はどのタイプ?
以下から、性格別に最適な設置スタイルを見ていきましょう。
おっとり系・慎重派の猫:低め&隠れ家重視が正解
穏やかであまり活発でない猫は、いきなり高い場所に登ることを嫌がる傾向があります。
● おすすめ配置
- 床から80cm前後の低めのタワー
- 一番下にボックス型のハウスがあるデザイン
- 人の目線より少し低い静かな場所(家具の隅・窓辺)
● 避けたい点
- 高さ重視の大型タワー
- 室内のど真ん中への設置(人目が気になる)
猫に「逃げ込める場所がある」と感じさせるのがポイントです。
活発で好奇心旺盛な猫:高さと遊びを両立!

元気いっぱいの子は、タワーを「運動の拠点」として使いこなします。
登って降りて、時には最上段で寝ることも。
● おすすめ配置
- 天井突っ張りタイプ(2m前後)や段差が多いもの
- 部屋の中央寄り、見晴らしの良い場所
- 日当たりが良い窓際
● プラスの工夫
- タワーと家具を“橋渡し”するように配置(例えばタワー→棚→カーテンレール)
キャットタワーが「猫専用アスレチック」になるような工夫が理想的です。
甘えん坊で人にくっついていたい猫:人のそばに設置
「飼い主のあとをずっとついてくる」タイプの猫は、
タワーの配置場所次第で使ってくれるかどうかが決まることもあります。
● おすすめ配置
- ソファの隣、作業デスクの横など“人の生活圏”の近く
- 低め〜中くらい(1〜1.5m)のサイズ
- 上段がベッド状になっているもの
このタイプの猫は「飼い主が見える場所」でくつろげることが一番。
高すぎず、人の気配が感じられる設置場所がカギになります。
シニア猫や足腰が弱い猫:無理に使わせない配慮を
10歳を超えたあたりから、猫は徐々に足腰が弱くなります。
高いところに登るのが怖くなったり、降りるときに関節を痛めるリスクも。
● おすすめ配置と工夫
- 高さ50cm以下の段差のない低設計
- 上り下りにステップ台を用意する
- ふかふか素材のクッション付き
キャットタワーの代わりに、ソファや窓辺に小さな台を設置するだけでも十分なケースもあります。
多頭飼いの場合はどうする?

猫の性格がバラバラな多頭飼いでは、1台のキャットタワーを共有させるのは難しいこともあります。
● 対策
- 性格の異なる猫ごとにスペースや高さの異なるタワーを設置
- タワーの上下で縄張り争いが起きる場合は、それぞれの“お気に入りの居場所”を作っておく
物理的に2台置けない場合は、段差のある家具などで“タワー的動線”を分散させる工夫も有効です。
よくある疑問Q&A
Q:市販のタワーを使ってくれません。無駄になりますか?
A:使ってくれない理由の多くは「配置場所」と「高さ」です。
再配置するだけで、登り始めることはよくあります。
ただし、どうしても使わない場合は家具や壁を使った手作りの“簡易タワー”でも代替可能です。
Q:掃除が大変では?
A:掃除しやすい素材(木製・スチール製)を選ぶことで負担は軽減されます。
カーペット素材のものは毛が付きやすいため、コロコロ・布用掃除機があると便利です。
まとめ:キャットタワーは「必要」かどうかより、「その子に合っているか」

キャットタワーは、すべての猫にとって“必須”というわけではありません。
「猫の性格に合った高さ・設置場所・構造」で初めて意味を持つアイテムです。
- おっとりタイプは低くて静かな場所
- 活発な子は高くて動き回れる場所
- 甘えん坊は人のそば
- シニア猫は無理に登らせない配慮
- 多頭飼いならパーソナルスペースの確保
「使ってもらえない…」ではなく、「うちの子に合ってるかな?」という視点で見直してみてください。
愛猫との距離がぐっと縮まる、タワー選びと配置のヒントになりますように。