ふと旅に出たくなるとき、あなたはどんな場所を思い浮かべますか?
青い海、静かな島、そして…あちこちでゴロゴロとくつろぐ猫たち。
そう、そんな夢のような“猫の王国”が、ほんとうに実在するんです。
しかも日本には、猫と人が寄り添って暮らす「猫島」と呼ばれる島がいくつもあります。
そして最近では、海外にも“猫だらけの島”があることが話題に。
今回は、猫好きの心をわしづかみにする「猫島」たちをご紹介します。
相島(あいのしま)— 福岡県の“猫天国”

博多から電車と船で1時間ちょっと。
福岡県新宮町にある相島(あいのしま)は、「猫島」として日本中の猫好きに知られています。
この小さな島には、150〜200匹の猫たちが暮らしているとされ、
漁港の周りや路地裏など、あらゆるところに猫がのんびり。
日向ぼっこ、毛づくろい、かくれんぼ……彼らの暮らしはとにかく自由そのものです。
相島の猫たちは、地元の人たちに大切にされながら、自然体で生きています。
猫が中心の生活風景に、観光客は思わずほっこり。
🚢 アクセスも簡単!
新宮港からフェリーで約17分。気軽に“猫旅”を楽しめます。
田代島(たしろじま)— 宮城県の猫神さまの島

東北・宮城県の石巻沖に浮かぶ田代島は、“猫が神様の使い”とされる島。
かつて漁業や養蚕が盛んだったこの島では、ネズミ退治に猫が欠かせない存在でした。
そのため、島の人々は猫に感謝し、今でも「猫神社」にその信仰を伝えています。
現在は人より猫のほうが多いとも言われるほどで、
訪れるとあちこちに猫たちの姿が!
港に出迎えにくる子、海辺でお昼寝している子、観光客の足元にすり寄る子…
🐾 猫優先のルールがいっぱい
島には犬の持ち込みが禁止されていたり、
観光客による無許可のエサやりを禁止していたりと、
猫たちの安心安全が第一に考えられています。
シロス島(ギリシャ)— 海の向こうの“猫と共に暮らす島”

日本を飛び出して、ちょっと視線を海外へ。
ギリシャのエーゲ海に浮かぶ「シロス島(Syros)」は、
猫たちが街の風景の一部として溶け込んでいる、素敵な島です。
石畳の路地、白い壁の家、青く広がる空。
そんな絵になる街角のあちこちに、猫たちがのびのびと暮らしています。
この島では「Syros Cats」という保護団体が活動しており、
猫たちの健康管理や不妊手術(TNR)にも取り組んでいます。
🐱 観光客にも大人気!
猫が案内してくれるように街を歩くと、
どこからともなく「にゃ〜ん」と声がして…なんてことも!
猫島って、どうして猫だらけになったの?
猫が増えた背景には、こんな理由があるんです。
- 昔からの漁村・養蚕文化では、ネズミ対策に猫が欠かせなかった
- 島内に車や天敵が少なく、猫にとって安全で暮らしやすい環境だった
- 人口減少により、人より猫が目立つ島になっていった
人間と猫が“自然と共生してきた歴史”が、猫島を生み出したのですね。
猫島に行くときに守りたい、やさしいマナー
猫たちと気持ちよく出会うために、次のことを忘れずに。
● 猫は自由気まま。無理に触らないで
触らせてくれる子もいれば、そうじゃない子もいます。
猫の気持ちを尊重するのが一番のマナー。
● エサやりはルールを確認してから
たとえば田代島では観光客によるエサやりは禁止されています。
ルールは島ごとに違うので、案内をきちんと確認しましょう。
● 島の人とのふれあいも大切に
猫島は、人と猫が共に暮らす場所。
挨拶や感謝の気持ちを忘れずに。
● 写真を撮るときは、猫と人にやさしく
フラッシュを焚かない、人の家の前で大声を出さない。
猫にも島にも配慮しながら、素敵な一枚を残してくださいね。

さいごに:あなたの“猫の王国”を探しに行こう
猫が風景に溶け込み、暮らしの一部として息づく場所。
そんな“猫島”に一歩足を踏み入れると、時間がゆっくり流れているような気がします。
ゴロゴロとくつろぐ猫、
それを見守る人々のやさしいまなざし、
そして、のんびりした空気。
それこそが、猫の王国。
相島や田代島、そしてシロス島――
次の旅先に、こんな「猫のいる風景」を選んでみてはいかがでしょうか?
あなたの心に、ふわっとやさしい風が吹きますように。

