朝、バタバタと支度をすませて「行ってきます!」。
ふと振り返ると、さっきまで着ていた部屋着の上に、うっとりと寝そべる愛猫の姿…。
「なぜわざわざ、そこに?」
…と思ったこと、ありませんか?
でもそれは、猫なりの“深い愛情表現”だったのかもしれません。
今回は、猫が脱いだ服の上で寝る理由を、やさしく、そしてちょっぴりユーモラスにひもといてみましょう。

猫が「におい」を頼りにしているって知ってた?
猫はにおいのプロフェッショナル。
人間よりもずっと敏感な鼻を持っていて、
私たちが気づかないような微かなにおいまでもしっかりと感じ取っています。
脱ぎたての服には、
飼い主さんの体温やにおいがぎゅっと染み込んでいるんです。
猫にとってそれは、安心できる“お守り”のようなもの。
「ここにいれば、大好きな人と一緒にいる気がするにゃ」
そんな気持ちで、服の上でスヤスヤ…。
思わずぎゅっと抱きしめたくなりますね。
ふかふか・ぬくぬくが、ちょうどいい!
脱ぎっぱなしの服って、ちょっとふわっとしていますよね?
実はこの絶妙なクッション感も、猫にとってはたまらないポイント。
特に、まだ温もりが残っている服の上は、
猫にとっての“即席ホットカーペット”!
しかも、自分のにおいではなく、
大好きな飼い主さんのぬくもりつき。
そんなスペシャルな場所、猫にとってはまさに“特等席”なのです。

「服=あなたの分身」だからこそ
猫はとても繊細な動物。
飼い主さんの姿が見えないときも、
においのするものに寄り添って、心のバランスを取っていることがあります。
とくにお留守番が長い日は、
服の上で眠ることで、さみしさや不安をまぎらわせていることも…。
「ひとりじゃないにゃ」
そんな気持ちで、そっと目を閉じているのかもしれません。
お気に入りの服が毛だらけに…どうしたら?
「わかる、でもその服は着ていきたい…!」
そんな日もありますよね。
そんなときは、
使い古したTシャツやパーカーを“専用お昼寝服”にして置いておくのがおすすめです。
その服に飼い主のにおいをしみ込ませておけば、
猫ちゃんはそちらで安心してお昼寝。
毛まみれのファッション危機も、ちょっと回避できるかも?

これって甘え?それとも縄張り意識?
猫が服の上で寝る行動には、
「このにおいは自分のもの」というマーキングの意味もあるといわれています。
ゴロゴロ喉を鳴らしながら寝転んだり、
前足でふみふみしていたりしたら、
それはまさに“愛情表現”のサイン。
「これはわたしの大事な人のにおい。ちゃんと守っておくにゃ」
そんな健気な気持ちを、静かに伝えてくれているのです。
さいごに:猫は、においで愛を感じる生きもの
私たち人間は、目や声で愛情を感じることが多いけれど、
猫にとって“におい”は、もっとも信頼できる愛のかたち。
脱いだ服の上でくつろぐ姿は、
「あなたのことが大好きだよ」という、無言のメッセージなのです。
出かける前の慌ただしい時間、
そんな猫の姿にちょっとだけ心を和ませてみてくださいね。
そして帰ってきたら、ぜひ一言。
「ただいま。おまたせにゃ」って。

