猫のお腹がぷっくりしてきた?
歩くとおしりが左右にゆらゆら…?
「ちょっとぽっちゃりかも?」と感じたら、やさしいカロリー管理のはじめどきかもしれません。
今回は、肥満傾向のある猫さんのための、カロリー管理の基本を、できるだけむずかしくないように、飼い主さんと一緒にがんばれるスタイルでご紹介します。
どうして猫も太っちゃうの?
まず、ちょっとだけ知っておきたいのが猫の太りやすさについて。
猫はもともと狩りで生きていた動物。
野生の猫なら、食べものを手に入れるまでにたくさん歩いたり、走ったりしていました。
でも今は?
ごはんはお皿に用意され、寝る場所はあったかくて、安全な場所がたくさん。
運動量が少なく、つい摂取カロリー>消費カロリーになりやすいんです。
とくに…
- 完全室内飼い
 - 去勢・避妊手術をしている
 - シニアになってきた
 - 食べるのがだいすき!
 
…こんな猫さんは、太りやすい体質になりやすいと言われています。
そもそも「肥満」ってどれくらい?

実は猫にも、“理想体型”を見極めるポイントがあります。
ボディ・コンディション・スコア(BCS)という指標がよく使われており、5段階で表現されます。
| スコア | 状態 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 1 | 痩せすぎ | あばら骨や背骨がくっきり | 
| 3 | 理想的 | あばらに軽く触れられ、ウエストもある | 
| 5 | 肥満 | あばらが触れにくく、お腹もぽっこり | 
BCS4〜5に当てはまる場合は、カロリーコントロールが必要なサインかもしれません。
カロリーって、どれくらい必要なの?
さて、ここからが本題!
猫の1日に必要なカロリーは、ざっくり次の計算式で求められます。
▶ ステップ①:安静時エネルギー要求量(RER)
RER(kcal)= 70 × 体重(kg)^0.75
例)体重5kgの猫ちゃん
→ RER = 70 × (5^0.75) ≒ 234kcal
▶ ステップ②:ライフステージや目的に合わせて調整
肥満気味の猫には、以下のように“減量目的”の係数(0.8など)をかけます。
| 状態 | 目安係数 | 
|---|---|
| 去勢・避妊後の成猫 | 1.2〜1.4 | 
| 肥満の減量目的 | 0.8〜1.0 | 
| 活発な若猫・運動量多め | 1.4〜1.6 | 
なので…
234kcal × 0.8 = 約187kcal/日
これが、減量中の5kgの猫さんの「1日に必要な摂取カロリー」の目安です。
フード選びも大事にゃポイント!
「えっ…フードの袋、見てもわからない…!」という方、大丈夫です。
猫のフードにはだいたい、100gあたりのカロリー(kcal)が書かれています。
そこから逆算すると…
例:
・フード100gあたりのカロリー=370kcal
・目標カロリー=187kcal
→ 187 ÷ 3.7 = 約50g/日
1日あたりのごはん量がわかってきましたね。
おやつをあげる場合は、その分ごはんを少し減らすのもポイントです。

ちょっとずつ、が成功のカギ!
ダイエット中の猫さんに急な食事制限はNG!
・空腹でストレスがたまる
・早食いして吐いてしまう
・肝リピドーシス(脂肪肝)のリスク
これらを避けるために、1日2回〜3回に分けて、ちょっとずつ与えましょう。
さらに…
- 1週間に体重の1〜2%減が理想(5kgの子なら50〜100g/週)
 - こまめに体重をはかる
 - 体重グラフをつける(アプリも便利です)
 
など、無理なく、でも少しずつの姿勢が大切です。
運動もちょっぴりプラスで◎
食事管理に加えて、軽い運動も取り入れると、より効果的です!
- お気に入りのじゃらしで毎日5〜10分遊ぶ
 - 高低差のあるキャットタワーを設置
 - おやつを“宝探しゲーム”のようにして遊ばせる
 
楽しみながら、代謝アップ&筋肉量の維持が目指せます。
まとめ:ゆっくり、やさしく、がダイエット成功のコツ!
猫のダイエットは、「体重を減らすこと」が目的ではなく、「健康で長く一緒にいること」がいちばん大切。
だからこそ、
- カロリーの目安を知る
 - ごはん量を見直す
 - ストレスをかけず、じっくり取り組む
 
そんなやさしい気持ちでのカロリー管理が、愛猫にもきっと伝わります。
「ダイエット、いっしょにがんばろうね」
そんな声がけが、猫との毎日をもっと深めてくれることでしょう🐾

