猫にとって「通院」は、とっても大きなイベント。
キャリーを見るなり隠れたり、「にゃああ!」と鳴いて全力で抵抗したり…。
そんな姿を見ると、「本当に連れて行っていいのかな…?」と迷ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は、猫が少しでもストレスを感じにくい通院のコツを、日々の暮らしの中でできることからご紹介していきます。
通院が苦手な理由、実はたくさんあるんです

猫が病院をイヤがるのには、いくつかの理由があります。
- キャリーに入れられる=イヤなことが起きると学習している
- 移動中の音や揺れが怖い
- 病院のにおいや音、人の気配が怖い
- 他の動物や知らない人と会うストレス
つまり、猫にとって通院は「知らないこと・怖いこと・イヤなこと」のオンパレードなのです。
まずはこの“イヤの正体”を知ってあげることが、通院ストレスを減らす第一歩になります。
【1】キャリーケースは「普段から出しっぱなし」に!
「通院の時だけキャリーが出てくる」— これが猫にとって一番の警戒ポイント。
キャリー=病院、イヤな場所とインプットされてしまっている子は、とにかく入ろうとしません。
日頃からキャリーをお部屋に置きっぱなしにして、
中にふわふわのブランケットや、好きなオモチャを入れてあげましょう。
猫が自分から入ってお昼寝してくれるようになれば、キャリー=安心できる場所に!
ポイント:洗濯ネットと併用もおすすめ!
キャリーに直接入れるのが苦手な子は、洗濯ネットに入れてからキャリーへ。
狭くて包まれている感じが、かえって安心材料になることもあります。

【2】「病院の予定」は、できれば前日から準備を
猫は空気を読む名人。
飼い主さんがソワソワしたり、緊張していると、それが伝わってしまうんです。
通院の予定がある日は、
- キャリーを前日から出しておく
- 荷物を先に準備しておく(診察券・お薬など)
- 猫のごはんやトイレの様子も事前にチェック
など、当日はなるべく“いつも通り”の空気を保てるようにしましょう。
ポイント:猫には「気配」がバレてる!?
キャリーに気づいた瞬間、ソファの下やベッドの隙間に逃げ込む子も。
追い詰めず、出てきたタイミングで優しく確保するのが理想です。
【3】移動中は静かに、そっと…が鉄則
車で移動する場合も、徒歩で連れて行く場合も、なるべく揺れや大きな音を避けるようにしましょう。
- キャリーはしっかり固定(座席にベルトで留めるなど)
- 中に滑り止めになるブランケットを敷いておく
- 急ブレーキや急カーブを避け、なるべく穏やかに運転
- 人混みは避ける、なるべく静かな道を選ぶ
また、キャリーをタオルなどで覆って視界を遮るのも有効です。
暗くて静かな環境が、猫にとっては安心のカギです。
【4】病院選びも、猫ファーストで

最近では、「猫専用」「猫にやさしい」を掲げた動物病院も増えています。
- 犬と待合室が分かれている
- キャリーを置ける台がある
- 音やにおいへの配慮がある
- 獣医師さんや看護師さんが猫慣れしている
病院の雰囲気が落ち着いているだけで、猫の緊張度は大きく変わることもあります。
実際に見学や事前相談をしてみるのもおすすめです。
【5】帰宅後は「うちが一番!」の時間を
病院から帰ってきた猫は、ほっとする反面、少しピリピリしていることも。
すぐにかまいすぎず、静かにそっと見守ってあげましょう。
- キャリーのまましばらく置いておく
- 落ち着ける場所にそっと戻してあげる
- ご褒美のおやつをそっと置いておく(食べられたらOK)
「がんばったね」「よく耐えたね」と心の中でたくさんほめてあげてくださいね。

まとめ:猫の“いやにゃ!”に、ちょっとずつ寄り添って
猫が病院をイヤがるのは、当たり前のこと。
でも、その気持ちに少しでも寄り添ってあげる工夫をすることで、通院のハードルは確実に下がります。
大切なのは、準備・移動・診察・帰宅までを「ひとつの体験」として考えること。
猫の個性に合わせた「わが家流」のスタイルが見つかれば、
通院もきっと少しずつ“特別じゃないこと”になっていくはずです。
猫が健やかに、そして安心して暮らしていくために。
「行きたくないにゃ!」の声に、やさしく応える工夫を、今日からぜひ試してみてくださいね。