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テトさん口内炎克服

歯磨き嫌いな猫さんが口内炎で食べられなくなった!?

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投稿者:もふねこ編集部

こんにちは。編集部のNです。

お久しぶりの投稿です。今回は編集部のテトさんが口内炎でご飯が食べられなくなった話をしたいと思います。そして、回復するまでに私たち愛猫家である人間がどのように試行錯誤したかも時系列でまとめてみました。

また、このお話は、2020年1月より世界を騒がせている新型コロナウィルスが、日本で蔓延し始め、緊急事態宣言が発令される前後頃の出来事です。

人類の危機ともいえる状況下で、家族同等の存在であるペットがもしも病気を患った時、皆さんならどのように対処するでしょう。そんなことも考えながら一読いただけると嬉しいです。

 

テトさんの食生活と口内事情について

はじめに、テトさんはとても食いしん坊で、普段からカリカリよりウェットタイプのご飯が大好きな猫です。
ウェットタイプのフードは他の同居猫さんへの投薬のためや、栄養補助サプリメントなどを混ぜて食べてもらうためにも、日頃から与えています。しかし、ウェットタイプのフードを好む猫は、カリカリを好む猫より歯周病にかかりやすいそうです

普段、カリカリをほとんど食べないテトさんは、ワクチン接種や健康診断などの際、ホームドクターから口腔内のチェックをしてもらう度に「大きな歯石が付いてますね〜。取っておきましょうね。少し歯周病にかかっているみたいなので、これ以上悪くならないように気をつけてあげてください。」と言われた事が何度かありました。

口内炎の猫の特徴の一つに口臭がキツイというのがあります。

実際、テトさんは他の子達と比べて、やや口臭が気になる子でした。しかし、何度優しくチャレンジしても断固として歯磨きはさせてくれないので、これまでサプリメント等で何とかしのいできました。こうなると過保護な人間は無力です…。

 

テトさん急に食べづらそうにする

そんなテトさんが、3月下旬、新型コロナウィルスで世間がざわつく中、急にご飯を食べる量が減ってきたのです。
つい数日前まで「テトさんはおデブだね〜。まるまるしてるね〜。ダイエットしなきゃね〜」と可愛さから冗談半分で言っていた人間達は「もしや傷つけてしまったのか?」と、少し反省もしましたが、原因はそんなことではなく…。テトさんの様子をよく観察していると、どうやら食べたいけれど食べられないという様子でした。

テトさんは何より食べる事が大好き。他の子達の分まで横取りしてしまうほど大食漢。なのに食べられないというのは、「とんでもなく辛い事!」と、人間達にも想像できました。

ちょうどその頃、テトさん宛に病院から3種ワクチン接種の案内が届いていたことを思い出しました。世の中が落ち着いてからと思っていたのですが、ワクチン接種のついでに、早めに口の中も診てもらうことにしました。(ちなみに、この頃はまだ世の中は緊急事態宣言ではありませんでした)

病院に連れていくと、「おそらく口内炎でしょう。ひとまず応急処置として、特に目立つ歯石を軽く除去しておいたので、しばらくこれで様子を見ましょう」ということになりました。

その上で、効果に個体差はあれど、副作用がなく、猫の歯周病に有効とされるサプリメントをしばらく試してみようというになりました。(ちなみに、痛み止めとして処方されるステロイド剤は、猫の場合、安易に投薬すると、腎臓へのダメージが懸念されるそうです。なので、私たちは普段からなるべく優しい治療を選択しています)

しかし、副作用もなく優しいはずのそのサプリは、テトさんには合いませんでした。患部にしみるのか、猛烈に拒絶されてしまったのです。

そうして、テトさんの食はまたしても細くなっていきました。さらに、よだれをタラタラとたらして顎が汚れてしまっています。私たち同居人は、明日も食欲が戻らなければ、もう一度先生に相談することにしました。

 

テトさん再診察へ

テトさん病院へ

翌日、テトさんの様子はやっぱり変わりません。ますます悪くなっているようにも見えました。そこで、ネットで症状を元に色々と調べてみたところ、やはりテトさんの症状は典型的な口内炎としか思えませんでした。

しかし、食事ができず、あまりに辛そうなので、栄養失調になる前に病院で再診してもらうことにしました。

折しもこの頃は、明日にも緊急事態宣言が出てるかどうかという時期。そんな明日は何が起こるかわからない状況で、細かく診察してもらえるか不安もありました。しかし、大切な家族の一大事。人間たちも感染予防の対策を万全にしつつ、ひとまず病院へと向かいました。

病院の先生もさすがに慣れない状況もあってか、いつもと違う雰囲気。詳しい検査の提案はなく、私たちもお願いすることを少しためらっていました。

せめて、幹部の特定だけでも、と思い口腔内を見せていただきながら、説明を受ける事になりました。

先生によると、どうやらテトさんの上顎の奥歯に「破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」の疑いがあるとのこと。歯根が顎の骨に吸収されるという猫特有の病気らしく、その過程にかなりの痛みを伴うらしいのです。それに加え、その上顎の奥歯が下顎の歯茎を傷つけて炎症を起こしていて、かつ、歯周病も重なって痛いのではないかとの見立てでした。

これらを早期に確実に解決するには上顎の奥歯を抜歯とのこと。しかし、あまり強くオススメはしないとのこと。私たちも、猫にとって抜歯は麻酔を伴う手術のようなものなのでできれば避けたいと考えました。

そこで、この日はせめて一時的に痛みだけでも和らげてあげようと、やむなくステロイド注射をしていただくことにしました。先生によると、幸いこの程度であれば翌日には注射の効果がみられ、少しは食べられるようになるだろうとのことでした。

その後もステロイド剤の投薬を続けるという選択肢もあったのですが、腎臓への副作用が懸念されるため、その選択は避けました。

何しろ、猫の腎臓病は発見が遅れる事が多く、しかも死因の第二位とされているほど、かかり易い病気だからです。

代わりに、先生にステロイド剤に頼らないで治療できる方法について相談したところ「笹のエキスが口内炎に良いと患者さんから聞いた事がある」とか、「漢方が合う子もいるらしい」などの情報をいただくことができました。

強引な対処療法を勧めず、愛猫家の気持ちを尊重して相談に乗ってくださる先生には感謝しました。

私たちはその後、自宅に戻りネットで検索。さらに詳細情報を得ようと試みた結果、多くの愛猫家からの評価を得ている「ささの恵」というサプリメントが良いかもしれないという結論に至りました。

ならば早速試してみようと、注文。

しかし、届くまでに数日かかるとのこと。そうこうしている間に、テトさんは注射の効果もなく、遂に全くご飯を食べなくなってしまいました。

 

テトさん再再診察へ

テトさん口の中

世間はついに「緊急事態宣言」。これまで以上に不要不急の外出を控えるよう要請されました。

しかし、こっちは大事な家族の緊急事態。これは不要不急と言えない。やっぱり、きちんと詳しく見てもらおう!という思いで先生にお願いし、再々受診。

テトさんの口腔は見たところ、完全に食欲を失うほど、ひどい口内炎ではなさそうとのこと。しかし、誤飲や他の病気という可能性もなくはない。

私たちは、ここでお願いしなかったことを後悔しないためにも「とにかく詳しく検査をお願いしたい」とお伝えしました。先生も口内炎ではないかもしれないという疑いをすでに持っておられたので、すんなり快諾。

レントゲン・エコー・血液検査をしていただくことになり、さらには、このところの栄養不足を補うために点滴も施していただくことになりました。

それから、テトさんを病院に残し、われわれ同居人達はいったんその場を去り、病院からの連絡を待つことになりました。

そして数時間後、病院から検査終了の連絡がありました。われわれ同居人たちは、ドキドキしながら病院に向かいました。すると、先生は「それが、いたって健康で全く問題ないんです…」とのこと。レントゲン画像とエコー画像を見せていただきながら丁寧に説明をしていただき、血液検査の結果も数値について説明いただきながら、問題ないことを知ることができました。

こうなると「なんで?もしかして…メンタルですか?」と思う人間たち。

実は、それはあながち間違いではなかったのかもしれないと気づくのですが、この時は「こんな時、テトさんが話せたら」とばかり思ってしまいました。

先生によると、とにかく何でも食べてくれそうなフードを与えてみて、それでもダメなら3日に1度は点滴が必要とのこと。でも、点滴に頼るより、口から摂取する方が体力の回復になるのだそう。

とにかく、口内炎以外の病気やトラブルではなかったので、「ささの恵」という一筋の光に期待しつつ、テトさんの口内炎治療として私たちができることを集中してやってみることにしました。

 

「ささの恵」届く

テトさんとダンボール

いくつものフードをトライ&エラーで与えてみたところ、テトさんは、「CHAO(チャオ)スティックの焼きかつお」ならほんの少し食べてくれる事がわかってきました。

食べたい気持ちは今もある。でもほんのちょっと食べる時も警戒して、机の裏に隠れながら恐る恐るしか食べられないテトさん。

もしもテトさんのメンタルが問題なら、痛みはある程度治っているけれど、「しみて痛い」経験から、食べることへの恐怖が残ってしまっているという事ではないか?と、私たちはテトさんの気持ちになって考え始めました。

ならば、より魅力的な食べ物を、より食べやすくして差し出してみよう、ということになり、いざ実行。

そうして私たちは、これまで以上に気を使い、テトさんが好きそうな様々なフードを温めたり、小さくすりつぶしたりしながら、根気よく与えてみました。しかし、どれもほんの少し舐めて食べなくなるばかり。

やがて、われわれ同居人が最後の砦として浮かんだのは、テトさんが大好きだけどカロリーが高すぎるため、我が家では禁断のフードとしていた「ロイヤルカナン マザー&ベビーキャット ウルトラソフトムース」でした。
これはベビー用でカロリーが高すぎるので、普段は絶対に与えません。しかし、今はとにかく食べてくれないのだから、むしろ必要だと判断したのです。

そういえば、病院の先生もなんでも良いので好きなフードを与えてみてくださいとおっしゃっていた。ならば、食欲が戻るまで!と思い、試してみようということになりました。

そして、そうこうしている間にやさしい口内炎治療の一筋の光「ささの恵」が到着。こうして私たちは、テトさんが少しだけ口にする事ができる「CHAO(ちゃお)スティック」と「ロイヤルカナン マザー&ベビーキャット」そして「ささの恵」、この3アイテムをブレンドして与えてみまることにしました。

 

すると……。

 

なんと!警戒しながらも少しずつ食べてくれた!!

テトさん食べる量増えていく

食べることへの警戒は完全には消えないものの、食べてくれる量は日に日に増えていきました。

もしかして、「ささの恵」が口コミどおり炎症に効いているのかな?と思いつつ、引き続き人肌温度にフードを温めてみるなど、テトさんの食欲が途絶えないよう、細心の注意を払いながら給餌を続けること数日……。

 

テトさん元気になる

思えば症状が出てから約3週間、口内炎と診断されてからおよそ4週間。コロナとの戦いの最中、ホームドクターの協力と同居人たちの試行錯誤の末、ついにテトさんの口内炎による「食欲不振」との戦いは終わりを迎えたのです。

この可愛い表情を再び見ることができて、同居人たちはようやく安堵することができました。

 

テトさんの食欲回復を助けた三種の神器!?

左から「ささの恵」「ロイヤルカナン マザー&ベビーキャット」「ちゃおスティック」

 

ここで、あらためてテトさんが回復に至った3つのアイテムをご紹介します。

1、ささの恵

2、ロイヤルカナン「マザー&ベビーキャット」ウルトラソフトムース

3、CIAO(チャオ)ゼリータイプ・スティック 焼きかつお

 

ただし、これはあくまでテトさんの場合。「ささの恵」は副作用の心配もない天然成分の安全なサプリということですが、フードに関しては、猫さんそれぞれの好みや持病などを考慮した上で、獣医さんと相談しつつ、最適なものを選んであげるのがベストだと思います。

テトさんの場合、口内炎以外は持病もなく、健康診断でも太鼓判をいただいていたので、獣医さんと相談の上、以前から大好きで栄養価の高いフードを与えました。

また、食欲が回復して完全に元気になったと判断したら、徐々に元の食事に戻してあげる事も大切です。

栄養価の高い食事を食べ続けると、今度は別の病気につながりかねません。

 

先生へのお礼を忘れない

今回このような状況下で丁寧に診察してくださった動物病院の先生には、とても感謝しています。

そして、その後の経過とお礼をお伝えすることは、今後の信頼関係はもちろん、先生にとっても今後の治療やアドバイスに活かせる有益な情報となり、口内炎を患う多くの猫さんの幸せにつながるかもしれません

私たちはそう考えたため、テトさんが食欲が戻って元気になったこと、個体差はあれどテトさんの場合「ささの恵」が効いたようだということをお伝えしました。

すると、安堵の様子で「よかったぁ。わざわざご連絡ありがとうございました。また何かあればご連絡ください」とのことでした。

こうして、(口内炎は完治したわけではないので)同居人たちは引き続き注意しながら、今後もテトさんを優しく見守ることにしました。

最後に思うこと

今回のような全国はおろか世界規模での緊急事態になったとき、やっぱり最優先は人間なのでしょうか。私たちはそうは思いません。

しかし、こんな時、この国には人間同様にペットを守ってあげられる法律や仕組みは残念ながらありません。緊急時なんだからペットなんて放っておけ、などと心ないことを言う人もいるかもしれません。

けれど、ペットは大切な家族。このような事態になると、一緒に暮らす人間の判断と行動にかかっているのだと、この体験を機にあらためて実感しました。

私の場合、一人ではなくもう一人家族がいるため、相談しあう事ができましたが、もしも、私が一人暮らしで、自分の身を守ることだけに気を取られていたら、テトさんは今頃…と考えさせられました。

例えば、人との接触を避ける非常事態時に、あなたがペットと暮らす一人暮らしの方なら、SNSなどのオンラインであっても、ペットのことを相談できる人とのコミュニケーションを大切に継続されることをおすすめします