ふと目を離したすきに、紙袋の中からひょこっと顔を出す猫。
気づけば、ダンボールの中で香箱座りして動かない猫。
どちらも猫あるあるですが、結局、猫ってどっちが好きなの?
そんなふとした疑問を持ったことがある飼い主さんは、きっと少なくないはずです。
この記事では、猫の行動学や好みの傾向を踏まえつつ、
紙袋 vs ダンボール問題に迫りながら、猫との暮らしをもっと楽しむヒントをご紹介します。
猫が入りたがる「狭くて暗い場所」の魅力
猫が紙袋やダンボールに入るのは、単なる遊び心ではありません。
そこには、猫本来の習性や安心感を求める本能がしっかりと関係しています。
- 安全な隠れ家を確保したいという本能
- 周囲が囲まれていることで得られる安心感
- 敵から身を守れる“狩猟本能の名残”
特に室内飼いの猫にとっては、こうした**「狭くて落ち着ける空間」**が大切。
紙袋もダンボールも、そうしたニーズを満たしてくれるからこそ、猫たちは夢中になるのです。
紙袋派の猫たちの主張
シャカシャカ音がたまらない!
紙袋が大好きな猫には、音フェチな一面があります。
歩くとシャッと音がしたり、爪を立てたときの感触が独特だったり…。
まるで「猫専用の音あそびグッズ」とも言えるほど、音への反応が抜群な子も。

入り口の柔らかさが安心感に?
紙袋はダンボールより出入り口がふんわりしているため、
ビビりな性格の子でも入りやすいというメリットがあります。
「ふっと入って、すっと出る」──そんな気まぐれな猫の性格には、
紙袋のゆるさがちょうどいいのかもしれません。
においフェチな子も満足
紙袋は食品や衣類など、人の生活臭が残りやすい素材でもあります。
猫にとってはそのにおいが落ち着くこともあり、
「ここ、なんだか落ち着くにゃ」と感じて入り浸ることも。
ダンボール派の猫たちのこだわり
壁があることで落ち着ける
ダンボールの最大の特徴は、四方が囲まれている安心感。
猫は背後を取られるのを嫌う生き物。だからこそ、
**視界を遮ってくれるダンボールは「完全な避難所」**として魅力的なのです。

適度な広さと保温性が抜群
素材自体に断熱効果があるため、夏でも冬でも快適。
さらに大きさを選べば、まるで“秘密基地”のように使えるため、
長時間こもるには最適な空間になります。
噛める・爪とぎできる・壊せる
紙袋と違って、しっかり噛んでも破けにくい素材であるダンボール。
ストレス解消に齧ったり、端っこを爪でガリガリする子も多いですね。
紙袋が“遊び道具”なら、**ダンボールは「自分だけの城」**という感覚でしょうか。
実験してみた:猫が選ぶのはどっち?
わたしが以前、同じ部屋に紙袋とダンボールを同時に置いて試してみたところ──
- 最初は紙袋に入る→すぐ出る
- その後、ダンボールに入ってそのまま爆睡
という流れになることが多く見られました。
つまり、紙袋は「気になるから入ってみた」遊び心、
ダンボールは「居心地がいいから長居」するくつろぎ空間といった使い分けがあるようです。
もちろん個体差も大きいですが、**多くの猫にとっては「ダンボール>紙袋」**という傾向があるように感じました。
紙袋とダンボール、どちらも楽しめる環境をつくろう
結論としては、猫によって好みは違うし、目的も違うということ。
どちらが“正解”というよりも、**両方をうまく活かして、猫の本能と好奇心を満たしてあげるのが◎**です。
● 紙袋の使い方アイデア
- 中にタオルを入れて「即席ベッド」に
- シャカシャカ音で遊べる「トンネル遊び」
- 紐や取っ手は必ずカットして安全確保を
● ダンボールの活かし方アイデア
- 側面に穴を開けて「のぞき穴」に
- フタを半分残して「半屋根付きの隠れ家」に
- 数個を連結して「迷路型キャットハウス」にするのもおすすめ!

安全面で気をつけたいこと
どちらにも共通するのは、誤飲・閉じ込め・ケガのリスクをきちんと避けること。
- 紙袋の持ち手は絶対にカット
- ビニール袋は紙袋の代用にはならない(窒息リスクあり)
- ダンボールに鋭利な切れ端があればガムテープなどで補強を
猫が安心して遊べる・休める空間にするためには、
見えないところの配慮が大切です。
まとめ:紙袋もダンボールも、猫の心を満たす“魔法の空間”
紙袋とダンボール、どちらにもそれぞれの魅力があります。
遊び心をくすぐる紙袋と、安心してこもれるダンボール。
そしてなにより、それを楽しんでいる猫の姿こそが、私たちの幸せですよね。
あなたの猫が今どちらを好むか、そっと観察してみてください。
もしかしたら、その日の気分で「選び方が変わる」ことにも気づけるかもしれません。
猫の小さな選択の先に、大きな満足感がある──
そんな日常を、今日もそっと見守っていきましょう。