「うちの子、あとどれくらい一緒にいられるのかな」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
猫と暮らしていると、ふとした瞬間にそんな想いがよぎることがあります。
ゴロゴロと喉を鳴らしながら寄り添ってくれるそのぬくもりが、ずっと続いてくれたら…って。
じつは今、猫の寿命は少しずつ、でも確実にのびているってご存知でしたか?
今回は、ちょっぴり気になる「猫の平均寿命」について、最新のデータをもとに、やさしく・わかりやすくお話していきますね。
そもそも、猫って何歳くらい生きるの?
「猫の平均寿命は?」と聞かれて、すぐに答えられる方は少ないかもしれません。
でも実は、2024年の調査(※ペットフード協会)では、猫の平均寿命は15.92歳とされています。
15歳って、人間にたとえると70〜80代くらいのイメージ。思ったより長く感じた方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、同じ調査の2010年版では14.36歳だったので、この10年ちょっとで1歳半ほどのびていることになります。
出典:ペットフード協会「令和6年 全国犬猫飼育実態調査」
https://petfood.or.jp/pdf/data/2024/3.pdf
どうして長生きになってきたの?

じゃあ、なぜ猫はこんなに長生きするようになってきたのでしょう?
その理由には、いくつかの「うれしい進化」があります。
● 室内飼いが当たり前になった
昔は外にも出ていた猫たちですが、今は完全室内飼いが主流。
ケガや病気、交通事故のリスクがぐんと減って、穏やかに過ごせるようになりました。
● ごはんの質がぐんとアップ
フードの成分や栄養バランスも年々進化。
シニア猫向け、腎臓ケア用、アレルギー対策…など、体調に合わせて選べるようになりました。
● 動物病院に行くハードルが下がった
昔は「よっぽど具合が悪くならないと行かない」ことも多かった動物病院。
今は定期健診を受ける子も増えて、病気の早期発見・早期治療ができるように。
● 飼い主さんの意識が変わってきた
「猫も家族」という考え方が、いまではすっかり当たり前。
SNSなどで情報を得やすくなり、健康管理の知識を持つ飼い主さんもぐっと増えているんです。
でも、みんなが15歳以上生きるわけじゃない?
そうなんです。
あくまでこれは「平均」なので、すべての猫が15歳を超えるわけではありません。
たとえば…
- 外出自由な猫ちゃんは、室内飼いの子より寿命が短くなる傾向。
- 純血種の猫ちゃんは、遺伝的に病気になりやすい傾向がある場合も。
- 去勢・避妊の有無によっても寿命に差がある、というデータもあります。
たとえば、アニコム損保の発表によれば、雑種の猫の方が平均寿命が長い傾向が見られました(※参考:「家庭どうぶつ白書2023」)。
また、日本獣医師会の報告では、猫の死因としてもっとも多いのは泌尿器の病気(約3割)。
これも、日頃のケアで予防・早期発見できることが増えてきています。
いちばん大事なのは、“その子らしく”長生きできること

数字や平均も大事ですが、もっと大事なのは、「その子がその子らしく、元気に毎日を過ごせること」ですよね。
無理に長生きさせるのではなく、快適に、しあわせに過ごせる時間を少しでも増やす。
そのために、飼い主さんができることって意外とたくさんあるんです。
うちの子を元気に長生きさせるための、小さなヒント
ちょっとしたことでも、猫の健康に差が出ることがあります。
ここでは、すぐに取り入れられるヒントをいくつかご紹介しますね。
● 室内環境を快適に保つ
日当たり、湿度、静かで落ち着ける寝床…
猫は繊細なので、心地よい空間が長寿のカギに。
● こまめに健康チェック
「ちょっと食欲がない」「毛づやが悪い」など、いつもとの違いに気づけるのは、毎日そばにいる飼い主さんだけです。
● 水分補給を意識して
腎臓や泌尿器系の病気予防には、水をしっかり飲んでもらうことがとても大切。
ウェットフードの活用や、器の種類を変えるだけでも飲水量が変わることがありますよ。
● ストレスフリーな暮らしを
音、来客、模様替え…猫は環境の変化が苦手な生き物。
安心できる場所があるだけで、心がぐっと落ち着くこともあります。

ちなみに…いちばん長生きした猫は何歳?
世界でいちばん長生きした猫ちゃんは、アメリカ・テキサス州で暮らしていた「Creme Puff(クリーム・パフ)」という猫。
なんとその子は、38歳3日まで生きたそうです…!
人間でいえば100歳超えの長寿猫。
もちろん特別な例ですが、「猫は10歳くらいでシニア」というイメージをくつがえす存在ですよね。
まとめ:うちの子の時間を、もっと大切にしたくなる
「猫の平均寿命がのびている」というのは、たしかに事実です。
でも、その背景には、飼い主さんのやさしさや努力があるんだなと、あらためて感じます。
そして、数字を見て「長生きするんだな」と安心するだけでなく、
今この瞬間も、猫との時間は確実に流れていることを思い出させてくれます。
今日も、ちょっとだけ早起きしてごはんを用意したり、
ソファでくつろいでいる姿を「かわいいなぁ」って見つめたり。
そんな小さな積み重ねが、猫のしあわせな毎日につながっていくのかもしれませんね。