~嫌がられずに投薬を成功させるための実践的ガイド~
猫に薬を飲ませるのは、多くの飼い主にとって避けて通れない難題。
「口を開けてくれない」「薬を見ると逃げる」「無理に飲ませたら信頼が崩れた」など、悩みは尽きません。
この記事では、そんな悩める飼い主さんのために、猫に薬を飲ませるための簡単テクニック&裏ワザを詳しくご紹介します。
薬を飲ませる時間がストレスではなく、お互いに優しい時間になることを目指しましょう。
なぜ猫に薬を飲ませるのは難しい?
猫は本来、警戒心が強く、口に入るものには敏感な動物です。
特に「苦い」「においが強い」薬には、強く抵抗を示します。
また、人間と違って「我慢して飲む」ことができないため、力づくで押さえつけるとトラウマになり、今後ますます飲ませづらくなってしまうのです。

猫に薬を飲ませる基本の3パターン
薬の形状によって、対処法が異なります。
それぞれに合ったやり方を選びましょう。
錠剤の場合
- ピルポケット(投薬補助おやつ)を使う
→おやつの中に薬を包み込んで与える。ほとんどの猫が気づかずに食べてくれる。 - 粉にしてウェットフードに混ぜる(※獣医師の確認を)
→すべての薬が粉砕OKではないため、事前に確認が必要です。 - ピルガン(投薬器)で直接口の奥へ
→口の奥に素早く落とせば、自然に飲み込む確率が上がります。
粉薬の場合
- ちゅ〜るなどのペースト状おやつに混ぜる
→においと味が強いおやつでマスキングするのがコツ。 - 水に溶いてシリンジ(注射器)で与える
→水にしっかり溶かして、口の横からゆっくり注ぎます。
液体薬の場合
- 少量ずつシリンジで与える
→シリンジの先を口角から差し込み、急がず数回に分けて注入。 - おやつやスープに混ぜる(においが強い場合は注意)
→猫の好物であることが大前提です。

簡単にできる!猫が嫌がらない裏ワザ7選
ここからは、実際に多くの飼い主が使っている「これは効いた!」という裏ワザをご紹介します。
1. 薬を冷蔵庫で冷やしておく
→苦味やにおいが感じにくくなることがあります。冷たさで感覚が鈍るため、飲み込みやすくなります。
2. 与える前に遊んでおく
→猫がリラックスしているタイミングの方が、抵抗が少ないです。ストレス軽減にも◎。
3. 薬の時間=ご褒美の時間にする
→薬のあとに大好きなおやつや撫でタイムを設けることで、記憶がポジティブになります。
4. 匂いの強い食材でカモフラージュ
→例:ツナ缶、かつお節、ちゅ~るなど。「におい>苦味」をうまく利用しましょう。
5. 包み込む保定法を使う(洗濯ネットやバスタオル)
→暴れる子には視界を遮るように優しく保定。怖がらせず、落ち着かせることが大切です。
6. 2人で作戦を立てる
→1人が保定し、もう1人が投薬することで成功率がアップします。
1人で無理しないことも重要です。
7. 飲んだかどうかの確認も忘れずに
→猫は器用に薬だけを吐き出すこともあるため、飲み込んだかの確認は必須です。

NG行動:猫との信頼関係を壊してしまう行動とは?
どんなに投薬が大変でも、以下の行動は避けましょう。
- 無理やり口をこじ開けて押し込む
→強い恐怖心や嫌悪感を与えるリスクがあります。 - 味の嫌いなものに混ぜて騙すのを続ける
→一度バレると、その食材自体を一切食べなくなることも。 - 投薬の失敗でイライラをぶつける
→飼い主の感情は猫に伝わります。冷静さを保つことが信頼を守る鍵です。
どうしても無理な場合は?獣医さんに相談を
どれだけ工夫しても飲んでくれない場合、無理に続けるのは逆効果です。
そんな時は、以下のような代替案を獣医師に相談してみましょう。
- 注射に変更できるか確認
- より飲みやすい薬(味付き、少量タイプ)を処方してもらう
- 投薬補助グッズの紹介を受ける
プロの手を借りて、猫にとって一番負担の少ない方法を見つけるのが大切です。

まとめ:薬=イヤな時間にしない工夫を
猫に薬を飲ませるときに大事なのは、「信頼関係を壊さずに投薬すること」。
テクニックももちろん大切ですが、猫の個性を理解し、「その子に合った方法」を見つけることが何より重要です。
そして、薬の時間が終わったら、たくさん褒めて、スキンシップを忘れずに。
それが、次の投薬への「心の準備」になるのです。
愛猫の健康を守るために、投薬も優しさと工夫で。
少しずつ、無理なくできる方法を一緒に見つけていきましょう。