猫を飼っている方にとって、「爪切り」は避けて通れないお手入れのひとつ。
けれど、多くの飼い主さんが口をそろえて言うのが――
「うちの子、爪切りだけは大嫌いなんです…」
実際、爪を切ろうとした瞬間に逃げたり、抵抗されたり、引っかかれてしまったり。
でも、それは猫が「痛い」「怖い」と思っているからではなく、何をされるか分からない不安が大きいのです。
そこで今回は、猫の気持ちに寄り添いながら、やさしく、無理なく爪を切る方法を7つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:まずは爪切りに慣れてもらおう
いきなり爪を切ろうとせず、まずは爪切りの音や存在に慣れてもらうことから始めましょう。
- 爪切りを猫のそばに置くだけ
- おやつタイムに爪切りを見せる
- 爪切りを触らせて「怖くないよ」と伝える
猫の恐怖心は、「知らないもの」に向けられることが多いのです。
「これ、怖くないな」と理解してもらえれば、次のステップがぐっと楽になります。
ステップ2:触れられることに慣れてもらおう

猫は前足を触られるのが苦手な生き物です。
爪を切るには、優しく足を持たせてくれる関係性が不可欠。
- リラックスしているときに、軽く肉球を触ってみる
- 片手でなでながら、もう片手で優しく足にタッチ
- 嫌がる前に手を離し、「大丈夫だよ」と安心させる
焦らず、1日1〜2回、数秒ずつのトレーニングでOKです。
ステップ3:どこまで切っていいかを知る
猫の爪には「クイック(血管)」と呼ばれる部分があります。
そこを誤って切ると、出血したり痛みを与えてしまう原因に。
- 白い爪の子は、血管がピンク色に透けて見えます
- 黒い爪の子は、少しずつ削るように慎重に
- 「先端のカーブしている部分」だけを切るのが基本
ライトで照らしながら見るとわかりやすいこともありますよ。
ステップ4:理想は“寝起き”or“うとうと中”を狙う

活発に動いているときに無理に切ろうとするのはNG。
猫がリラックスしているタイミングを狙いましょう。
- お昼寝から起きたばかり
- 飼い主の膝の上でまどろんでいるとき
- テレビを見ながら抱っこしているとき
猫が安心しきっている時間帯を選ぶと、抵抗がグッと減ります。
ステップ5:切るときは「サッと、確実に」
いざ切るときは、ためらわずスッと切るのがコツ。
ただし、動かれると危ないので、事前の準備も大切です。
- 爪を軽く押し出して、先端を確認
- 切る瞬間は深呼吸して集中
- 切ったらすぐ褒めて、おやつやナデナデを
この「切ったら嬉しいことがある」ループをつくると、
猫にとって爪切り=良いことに変わっていきます。
ステップ6:1本ずつ、無理せず、途中でやめてもOK

「全部いっぺんに切らなきゃ」と思う必要はありません。
猫の機嫌や様子を見ながら、今日は1本だけでも十分。
- 1日1本ペースで、1週間かけて10本切ってもOK
- 嫌がったらすぐやめる勇気を
- 切れなかったら、無理せず次のチャンスを待つ
何よりも大切なのは、猫との信頼関係を壊さないことです。
ステップ7:どうしても難しいならプロに頼もう
どうしても自宅で切るのが難しい、という場合も大丈夫。
動物病院やトリミングサロンで爪切りだけをお願いすることも可能です。
- 月に1〜2回が理想のペース
- 飼い主も一緒に見学すれば学びになる
- 一部のペットショップでも、予約制で対応可
「自分でやらないといけない」と思い詰めずに、頼れるプロを活用しましょう。
まとめ:猫の気持ちを最優先に、少しずつで大丈夫
猫の爪切りは、無理をしない、焦らないことが何よりも大切。
いちばん避けたいのは、「爪切り=怖いもの」と記憶させてしまうことです。
今回ご紹介した7つのステップを繰り返すことで、
きっと猫との距離はもっと縮まるはず。
やさしく、安心できる爪切りタイムを目指して、
今日から少しずつ始めてみませんか?