―昔から猫は“特別な存在”だった
猫が好きな人なら一度は感じたことがあるはず。
「猫って、なんだか神秘的」
「ときどき人間より人間っぽい気がする」
「何か見えてるのかも…?」
実はこの感覚、はるか昔の日本人たちも同じように感じていたようです。
日本には古くから、猫にまつわる不思議な言い伝えや迷信、風習がたくさんあります。
この記事では、その中から代表的なものや、ちょっと珍しいものまでをご紹介します。
今の私たちの暮らしにも通じる“猫との向き合い方”のヒントが、きっと見つかるはずです。
猫にまつわる代表的な言い伝え
猫は“死者の魂”を運ぶ?
昔の日本では、猫が死者の魂を抜き取るという言い伝えがありました。
そのため、通夜の最中に猫を近づけてはいけないとされていた地域もあります。
猫がじっと人の顔を見つめたり、体の上をスルリと通り抜けたりする姿が、「この世とあの世を行き来する存在」と見なされていたからです。
招き猫は“左手”と“右手”で意味が違う?

商売繁盛の象徴「招き猫」。
上げている手の違いで招くものが変わるというのは意外と知られていません。
- 右手を上げている猫: 金運アップ
- 左手を上げている猫: 客を招く
さらに手の高さにも意味があります。
- 手が高い: 遠くの幸運を招く
- 手が低い: 近くの縁を大切にする
猫が顔を洗うと雨が降る?
「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えは、日本全国に広く伝わるもの。
湿気が多いと猫のヒゲに不快感が出やすく、より熱心に毛づくろいすることがあるため、昔の人は猫の行動で天気を読んでいたのかもしれません。
尾の長い猫は妖怪になる?
「猫又(ねこまた)」や「化け猫」は、日本の怪談や民話によく登場します。
長生きして尻尾が二股に分かれると、妖力を持つとされ、炎を操ったり、人語を話したりする存在として恐れられていました。
その影響から、しっぽを切る風習が一部にあったという記録もあります。
黒猫は不吉?それとも縁起がいい?

日本では、黒猫はむしろ幸運を呼ぶ存在として古くから親しまれてきました。
西洋の“魔女の使い”というイメージとは対照的に、魔除けや商売繁盛のシンボルとして扱われることも。
猫が枕元に来る理由
「寝ている人の魂を守るために猫が見守っている」
こんな優しい言い伝えも残っています。
現代では「人肌が温かいから」「安心できるから」という説が有力ですが、昔の人たちは猫を“守り神”のように感じていたのかもしれません。
猫が家に入ってくると“福が来る”
野良猫が自宅にふらりと現れると、「縁起がいい」「福が来る」と言われることがあります。
猫=福を招く存在という考えが根付いている証拠ですね。
ただし、現代では保護猫活動や感染症の観点もあるため、迎え入れる際は健康チェックをしたうえで慎重に判断しましょう。
まとめ:猫との暮らしの中にある“言い伝え”を楽しもう

猫は昔から、人の心に寄り添い、時には神秘的な存在として語られてきました。
今回ご紹介した言い伝えは、どれも昔の人たちが猫に感じた“特別な感覚”や“愛情”がにじみ出ています。
日々の暮らしの中で、猫の不思議な行動を見たときに「これ、言い伝えにあったな」と思い出せば、もっと猫との暮らしが楽しく、あたたかいものになるはずです。