玄関のドアを開けたとたん、足元に駆け寄ってくる猫。
かと思えば、スリスリ…の前に、「くんくん…」と鼻を動かしてにおいチェックが始まること、ありませんか?
「ただいま〜」と言ってるのに、においチェックに夢中。
猫たちはいったい、どんなことを私たちから“読み取って”いるのでしょうか?
今回は、帰宅後の“くんくん行動”に隠された猫の本音と科学的な意味を、やさしく楽しく掘り下げてみましょう。
猫にとって「におい」は“情報の宝箱”

猫は、視覚よりも嗅覚を頼りに生活する生きもの。
猫の鼻には、人間の10倍以上ともいわれる嗅細胞が存在していると言われています。
人間が持つ約500万個に対し、猫はおよそ5000万個もの嗅細胞を持っているという説も。
つまり、
猫にとって「くんくん」は、人間がスマホでニュースをチェックするような行為なのです。
そして飼い主の体からは…
- 外でついた他人や動物のにおい
- 公園や草むらの植物のにおい
- 立ち寄ったお店や香水の残り香
など、たくさんの“今日の情報”が詰まっているわけですね。
帰宅した飼い主にくんくん…猫がチェックしていること
では、具体的に猫はどんなことをチェックしているのでしょうか?
1. 他の動物と会ったか?浮気調査にゃ!
犬や猫、あるいはペットショップで他の動物と触れ合ったあと、「今日はしつこくにおい嗅いでくるなぁ…」と感じたことはありませんか?
これは、自分以外の動物のにおいがついているから。
猫はとても敏感に「ライバルの存在」を察知し、警戒したり、やきもちを焼いたりすることもあります。
「この子…どこの猫に会ってきたにゃ!?」
そんな声が聞こえてきそうなほど真剣に嗅いできますよね。

2. 食べものチェック!何かおいしいもの食べた?
お寿司屋さん、焼き肉、カフェ…。
外で食事をして帰ったときにも、猫は敏感に「においの違い」に反応します。
特に魚介系やチーズ系のにおいは猫の好奇心をくすぐるので、
「おみやげは…ないにゃ?」という期待も込めて嗅いでいるのかもしれません。
※もちろん、人間の食べものは猫には刺激が強すぎるものも多いので、あげるのはNGです!
3. “いつもと違う”をすばやく察知するセンサー
猫は、ルーティンと“いつもの空気”を大切にする動物です。
そのため、飼い主がちょっと違う香りをまとっていたり、香水を変えたりすると、敏感に反応します。
これも一種の「安全確認」。
「ちゃんと“いつもの人”かどうか」「変なものを持ち込んでいないか」をチェックしているのです。
実は…「安心したい」気持ちの表れかも?
においチェックは警戒だけじゃありません。
猫にとって、飼い主のにおい=安心できる存在の証。
しばらく留守にしていた後などにくんくんされるのは、「おかえり、ちゃんと戻ってきたね」という気持ちが込められていることもあるんです。
また、“自分のにおい”がついている飼い主を、再確認してホッとするための行動でもあります。
においチェック後に見られる仕草にも注目!

においチェックが終わったあと、猫の反応にも個性があります。
たとえば…
- 口を開けて変な顔になる(フレーメン反応)
→ 特に強いにおいを感じたときの生理反応です。 - しっぽを立ててスリスリ
→ においチェックで安心した証拠。「あ、やっぱり飼い主だったにゃ」と納得。 - プイッとどこかへ行く
→ 嫉妬や不満を感じているのかも!?ご機嫌とりタイム突入ですね。
においチェックを通じて、猫は「絆の確認」をしている
猫の“くんくん”は単なる情報収集ではありません。
そこには、「きみのこと、ちゃんと知っていたい」「自分の世界を守りたい」という気持ちが込められています。
私たちが帰宅するたびにくんくんされるのは、
信頼されているからこそのコミュニケーションなのです。
猫のためにできるちょっとした工夫
においに敏感な猫たちのために、
以下のようなことを意識してみるのもおすすめです。
- 強すぎる香水や柔軟剤は控えめに
- 帰宅後すぐに“猫への挨拶タイム”を作る
- “浮気相手”のにおいは、上着や手を洗ってリセット!
ちょっとした気づかいで、猫との信頼関係はもっと深まりますよ。
まとめ:においチェックは“愛のセンサー”
猫のにおいチェックは、好奇心・警戒心・安心感がミックスされた複雑な行動。
でもその根底には、「大好きな飼い主をもっと知りたい」という気持ちがあるのかもしれません。
「くんくん…どこ行ってたにゃ?」
そんな風に鼻先を近づけてくる猫の姿は、今日も変わらず、私たちにやさしいしあわせを届けてくれるのです。

