朝の静けさをやぶる「ケコッ、ケコケコッ…」という音。
あわててティッシュ片手に駆けつけると、そこには2か所の“現場”が…!
「え、また吐いたの!?しかも2回…?」
うちの猫だけかな?と不安になるこのシチュエーション、実は“猫あるある”なんです。
今回は、猫がなぜ2回吐くのか?
その原因や対策、病院に行くべき判断の目安まで、わかりやすくまとめました。
明るく、でもしっかり。猫の嘔吐との上手なつきあい方をご紹介します。
猫の「嘔吐2回セット」って、よくあること?
結論から言うと、「2回吐く猫」ってけっこういます。
もちろん個体差はありますが、
「1回目は空えずき、2回目で本格的に吐く」という2段構えのスタイルは、珍しくありません。
たとえばこんな感じ:
- 1回目:「ケコッ」と乾いたえずき
- 数秒の間をおいて…
- 2回目:「ゲコッ」と中身が出る
この「前フリ→本番」のような流れ、わりと猫界ではスタンダードだったりします。
そのため、「2回吐く=異常」とすぐに決めつけなくても大丈夫です。
そもそも、なぜ猫は吐きやすいの?

猫は人間よりずっと嘔吐しやすい動物。
その理由は、消化器の構造と暮らし方のクセにあります。
◆ 消化器の構造が“吐きやすく”できている
猫の食道は、逆流しやすい角度と柔軟さをもっています。
つまり「体が吐くのに向いている」つくりなのです。
◆ 毛づくろいによる毛玉問題
毎日熱心に毛づくろいをする猫は、胃にたまった毛を吐き出すために自然と嘔吐しやすくなります。
特に長毛種の猫ちゃんは毛玉ケアが重要です。
2回吐くときに考えられる原因とは?
では、なぜ1回だけでなく、2回に分けて吐くことがあるのでしょう?
よくある原因をいくつか見てみましょう。
1. 1回目は前兆、2回目が本番
多くの猫が、まず空えずき(胃に何もない状態)をしてから、
胃の中のものを吐き出す本番の嘔吐へと進みます。
これは「体の準備運動+実行」のようなもの。
自然な嘔吐の流れなので、心配しすぎなくて大丈夫です。
2. 毛玉がうまく出きらない
毛玉を吐こうとして、1回目で半分だけ出た→2回目で完全に排出というケースも。
吐いた中に毛が混ざっていれば、この可能性が高いです。
◎ 対策:
- ブラッシングの頻度を増やす
- 毛玉ケア用のフードやおやつを活用する
3. 胃の不快感が残っていて、続けて吐く
一度吐いてもスッキリしないと、2回目を無意識に“追い吐き”する猫もいます。
まるで「まだ何か残ってるにゃ…うぅ…もう一回!」という感じ。
これも体の自然な反応としてとらえられるケースが多いです。
4. 食べすぎ・早食いで気持ち悪くなる
ドライフードをがっついたあとなどに起こる「吐き戻し」タイプ。
このときも、一度吐いてもまだスッキリせず、2回目が来ることがあります。
◎ 対策:
- 早食い防止の工夫をする
- 少量ずつ回数を分けて与える
でも「こんなとき」は要注意!
たとえ「2回吐くのは普通」と言っても、
次のような症状がある場合は病院の受診をおすすめします。
⚠️ 受診の目安
- 1日に3回以上吐く
- 嘔吐が連日続いている
- 吐いたあとぐったりしている、元気がない
- 血や異物が混ざっている
- 吐いたあと水も受けつけない
とくに「繰り返す嘔吐」は腸閉塞や中毒の可能性もあるため危険です。
いつもと違うと感じたら、早めに動物病院へ相談しましょう。
飼い主さんができる、やさしい対処法

では、ふだんの暮らしの中で“2回嘔吐猫さん”とどう向き合えばよいか?
ちょっとしたコツをご紹介します。
● 吐くタイミングを観察する
・食後すぐ?
・毛づくろい後?
・空腹時?
傾向がわかれば、原因にあった対策ができます。
● ごはんの工夫をしてみる
・早食いしがちな子にはフードボウルを見直す
・空腹時間が長いなら、夜食やおやつを少し足す
・毛玉ケア用フードやサプリを試してみるのもおすすめです。
● 吐いても慌てない!
大事なのは、「元気・食欲があるか」と「頻度が多すぎないか」を見ること。
吐いた直後でもスタスタ歩いて、水やごはんも口にするようなら、ひとまず安心です。
まとめ:2回吐くのは「うちの子だけ」じゃなかった!
猫が2回吐くのは、実は“よくあること”。
毛玉、早食い、胃の違和感など、原因のほとんどは生活習慣にあります。
でも、「頻度」「元気さ」「中身」に注目して、
いつもと違うサインがあれば早めに病院へ。
大切なのは、猫のリズムと体質を“知ってあげること”。
そして、「あ、また2回目来るな」と思ったら、
そっと寄り添える飼い主さんでありたいですね。
おわりに:ケロケロも、愛おしい日常の一部
わが家では、猫の吐く音が聞こえると、ティッシュ片手に2回目を覚悟してます。
ちょっと大変な瞬間も、猫との暮らしの“味”のひとつ。
猫の体調に気を配りつつ、
「うちの子らしさ」として上手につきあっていけるといいですね。

