猫と暮らしていると、一度はこんな光景に出会ったことがあるはず。
届いたばかりの段ボール箱を置いたら、「スン…」と入ってご満悦な猫。しかも、どう見ても小さすぎる箱に、ぎゅむっと体をねじこんでる…!
なぜ猫たちは、こんなにも箱に入りたがるのでしょう?
今回はそんな「箱=最強の魅力アイテム」説を、猫目線でやさしく&楽しく紐解いていきます。
猫にとって箱は“安心のおうち”
猫にとって、囲まれた空間というのはとても大事。
野生時代の名残で、猫は狩る側でもあり、狙われる側でもあります。だからこそ、背中を守れる場所=安全地帯を本能的に求めてしまうんです。
段ボール箱は、四方が囲まれていて、なおかつ天井がない。
「敵を察知しやすく、身を隠しやすい」という、猫にとっての理想的な環境なんですね。
実際、動物行動学の研究でも、猫は狭くて囲まれたスペースにいるとストレスが軽減されることがわかっています。
箱は、まさに“心の避難所”だったんです。
どうしてそんなにキツそうな箱に…?

「いや、それ絶対入らなくていいやつ!」
…と思うような箱に、あえてギュウギュウに詰まる猫。これにもちゃんと理由があります。
猫には、自分の体よりも少し狭い空間にぴったりフィットするのが落ち着くという性質があります。
「密着=安心」という感覚は、子猫時代に母猫や兄弟たちと寄り添って眠っていた記憶の名残とも言われています。
つまりあの「ムリヤリ感」は、本人にとっては“ちょうどいいにゃ〜”なんです。
夏でも箱?冬だけじゃないの?
「夏でも入るの?暑くないの?」と思うかもしれません。
実はこれも猫によります。
通気性のある浅い箱や、日陰にある箱など、夏でも快適な箱があれば、猫は喜んで入ります。
また、冬は当然ながら、保温効果バツグンの段ボールが人気です。中にブランケットなんか入っていたら、もう出てきません…!
季節や気温に合わせて、お気に入りの“箱ゾーン”を作ってあげるのもおすすめですよ。
猫が好む箱の特徴とは?
実際に猫が喜ぶ箱には、いくつかの共通点があります。
■ サイズ感が絶妙
- 自分の体がぴったり収まるくらいのサイズ
- 「余裕がある」と感じるより、ちょっと狭いくらいがベスト
■ 深さがある程度ある
- 底が浅いよりも、隠れられるくらいの深さが好まれます
- 深すぎると「中が見えない=警戒」なのでバランスが大切
■ すみっこや壁際にある
- 猫は空間の中央より、壁際の方が落ち着く習性があります
■ 匂いがきつすぎない
- 洗剤や香水の強い香りが残っている箱は敬遠されがち
- 新品より、ちょっと使い古された段ボールのほうが好まれることも
箱は“観察ステージ”でもある

「箱に入った猫って、なぜかジーッとこっちを見てる…」
これもよくあるあるですよね。
猫にとって箱は、安全に周囲を観察できる基地でもあるんです。
「自分は隠れてる。でも相手の動きはぜんぶ見える」
—これはハンターとしての理想のポジション!
だから箱に入ると、ただリラックスするだけじゃなく、私たち人間やほかの猫を静かに観察してることも多いのです。
箱好きは“知育”にも活用できる?
実は、箱を使って猫の好奇心や狩猟本能を刺激する遊びもたくさんできます。
- 中におもちゃを入れておいて、探してもらう
- フタつきの箱にして、出入り口だけを作る
- 複数の箱をつないで“ダンボール迷路”にする
こうした工夫で、猫の運動不足やストレス発散にもつながります。
しかも、材料は“ただの箱”だからお財布にもやさしい!
箱に入らない猫もいる?
もちろん、すべての猫が箱ラブとは限りません。
中には、
- 閉所が苦手
- 素材のガサガサ音が怖い
- 過去に箱でイヤな思いをした
などの理由で、箱を避ける子もいます。
そんな場合は、やわらかい布で囲ったベッドや、かごタイプの入れ物を用意してみるのも一つの手です。
猫それぞれの好みに合わせて、“落ち着ける空間”を一緒に見つけてあげることが大切ですね。
まとめ:箱=猫の“心のよりどころ”

箱は、猫にとってただの「入れ物」ではありません。
それは、
- 安心できる場所
- 自分だけのテリトリー
- 観察ポジション
- そして、ときには遊び場!
「ちょうどいいにゃ〜」という感覚は、猫の本能と深くつながっているのです。
あなたの愛猫も、今日どこかで“ちょうどいい”箱を探しているかもしれません。
その姿を見つけたら、ぜひそっと見守ってあげてくださいね。

