「ちょっとお風呂へ…」「お水を取りに…」
そんな何気ない日常の中、気がつけば足元に猫がぴったり。トコトコと後をついてくる姿に、思わず笑みがこぼれる。
「なんでこんなにくっついてくるの?」
「こんなに私のことが好きなの?」
今回は、そんな“猫ストーカー”な行動に隠された理由を、やさしく、そして少しだけ深掘りしてみましょう。
猫があとをついてくるときの気持ちとは?
まず、誤解しがちなポイントから。
猫は「犬ほど懐かない」と思われがちですが、実はとっても繊細で、愛情深い動物。人間の行動や感情をよく観察していて、敏感に反応してくれています。
そんな猫が、あなただけにぴったりついてくるのには、いくつかの理由があります。

理由① 信頼しているからこその「あと追い」
猫があなたのあとをトコトコとついてくるのは、「大好きで、安心できる存在」と思っている証です。野生では単独行動が基本の猫にとって、あとをついていくという行動はかなり特別。
「あなたのそばにいれば安心」
「何か楽しそうなことが始まるかも」
そんな期待や信頼が込められているのです。
理由② ごはん・おやつの“期待感”
特にキッチンに向かうときについてくる…そんな経験はありませんか?
猫は、音・行動パターン・匂いなどから、「そろそろごはんかな?」と予測しています。
毎日同じ時間にごはんをあげているご家庭では、猫の体内時計の正確さに驚かされることも。
少しでも「食」に関係する動きがあれば、即座に反応するのは自然なことです。
でも、その姿はどこか“けなげでかわいくて”、つい多めにあげたくなってしまいますよね。
理由③ 不安や寂しさを感じていることも
意外と見落としがちなのが、「不安」や「寂しさ」による行動です。
・引っ越しや模様替えをしたとき
・家族の誰かが不在のとき
・大きな音や来客があったとき
こういった環境の変化に、猫は敏感です。そんなとき、安心できる“あなた”にぴったりくっついていたいという気持ちが強まります。
特に、甘えん坊な性格の子や、保護猫として過去に不安な経験をしている子には、この傾向が見られやすいです。
理由④ ただただ、いっしょにいたいだけ

深い意味はなく、「一緒にいたいから」「なんとなくそばにいたいから」という、シンプルで純粋な理由もあります。
猫は自由気ままな印象が強いですが、信頼する相手との距離感を大事にする生き物でもあります。
ベッタリと触れ合うのは苦手でも、同じ空間で過ごしたい。そんな「猫らしい愛情表現」のひとつです。
だからこそ、後ろをトコトコついてきて、近くでじっとこちらを見つめてくれる瞬間は、猫からの精一杯の「そばにいたい」サインなのです。
気をつけたいポイントも
とはいえ、あまりにも常につきまとってくる・離れると鳴く・体調が悪そうといった様子がある場合は、以下のような可能性も考えられます。
・分離不安
・体調不良や不快感
・環境のストレス
猫は「痛み」や「不調」を隠す傾向があるため、日頃との違いに気づけるのは飼い主だけ。
「かわいい」で済ませず、行動の変化があったら健康チェックをしてあげることも大切です。
猫の「ついてくる行動」は信頼と愛情のしるし
猫があなたの後をついてくる姿には、
「そばにいたい」「安心したい」「見守っていたい」という気持ちが込められています。
それはまるで、言葉を使わない静かな“愛の告白”。
ときには食いしん坊なだけのこともありますが、それすらも愛おしく思えるのが猫の魅力ですね。
今日も足元にぴったりついてくる“ちいさなストーカー”の存在に、あたたかく微笑んであげてください。
おわりに|猫がくれる、そっと寄り添う愛

猫は言葉を使いません。
でも、行動でしっかりと感情を伝えてくれる生き物です。
ついてくるというシンプルな行動の裏にある、深くて優しい気持ち。
それに気づいてあげられる飼い主でありたいですね。
ふと見上げれば、あなたの背中をじっと見つめるまなざしがあるかもしれません。
そのときは、ぜひそっと声をかけてあげてください。
「大丈夫だよ。いつも一緒にいるよ」と。