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またたびにしがみつく猫

猫がトリップ!?マタタビの不思議な魔力とその正体

投稿者:もふねこ編集部

猫の食事用マット パウ・マット OMOCHI 猫の食事用マット

猫にマタタビ。
この組み合わせには、どこか神秘的な響きがありますよね。
猫がマタタビを嗅いでウットリしたり、ゴロンゴロンと転がったり、時には豹変したかのように興奮してしまう光景…。

まるで“トリップ”しているような不思議な反応に、私たち人間はちょっぴり驚かされます。
一体、マタタビにはどんな秘密があるのでしょうか?
この記事では、そんな「マタタビの魔力」の正体を、科学的根拠や安全な与え方、猫の個性との関係まで掘り下げて解説します。

マタタビって、そもそも何?

マタタビ

マタタビは、マタタビ科マタタビ属のつる性植物で、日本の山間部などに自生しています。
漢字では「木天蓼(またたび)」と書きます。

名前の由来は「また旅に出られるほど元気になる」からとも言われ、古くは人間の滋養強壮にも使われていました。

猫が反応するのは、この植物の「葉」や「実」ではなく、特定の化合物に含まれる匂い成分です。
中でも代表的なのが次のふたつ。

  • ネペタラクトン(Nepetalactone)
  • アクチニジン(Actinidine)

これらの成分が、猫の嗅覚中枢を刺激し、特有の反応を引き起こします。

猫が見せる“トリップ”行動の正体

マタタビを与えたときの猫の反応は実に多様です。
代表的なものを挙げると…

  • 床にゴロンと転がる
  • 身体をスリスリこすりつける
  • ヨダレをたらす
  • おしゃべりが多くなる
  • 興奮して走り回る
  • 急に大人しくなる(うっとり系)

こうした行動は、交尾行動と似ているとされることもあり、脳内で快楽物質が分泌されている可能性が高いと考えられています。
ただし、麻薬のような“依存”性や中毒性はありませんので、ご安心を。

またたびスティックに抱き着く猫

反応する猫としない猫がいるのはなぜ?

実は、すべての猫がマタタビに反応するわけではありません。

【反応する割合】

  • 成猫:約7~8割
  • 子猫(6か月未満):ほぼ無反応
  • 老猫:反応が鈍くなる傾向あり

この反応性には、遺伝的要素があるとされており、「マタタビ受容体」を持っているかどうかがカギ。
また、ネペタラクトンに反応しない猫でも、アクチニジンには反応するケースもあり、一概には言えません。

なぜ猫はマタタビが好きなのか?科学的な説

この謎については、近年さまざまな研究が進んでいます。
中でも有力なのが、「虫よけ説」「ストレス軽減説」です。

虫よけ説(2021年・岩手大学などの研究グループによる研究

マタタビの匂い成分が、蚊やダニなどの寄生虫を遠ざける作用があることが明らかにされました。
猫が体にスリスリこすりつけるのは、防虫効果を得るための本能的な行動とされています。

ストレス軽減説

一方で、マタタビによって猫がリラックス状態になることから、ストレスの軽減や気分転換のためのセルフケア行動という説もあります。

つまり、マタタビは単なる「おやつ」ではなく、猫にとって自然なセルフメディケーション(自己治療)の一環なのかもしれません。

マタタビでうっとりしてる猫

マタタビの安全な与え方

マタタビは基本的に安全ですが、与え方には注意が必要です。
とくに以下の点に気をつけましょう。

与える頻度は「週に1~2回」まで

頻繁に与えると効き目が薄れる(慣れてしまう)ことがあります。

与えすぎに注意

粉末タイプはとくに濃度が高いので、ほんの少量(耳かき1杯程度)でOKです。

子猫や妊娠中の猫にはNG

6か月未満の子猫や妊娠中の猫は、マタタビに対する感受性が不安定なため避けた方が無難です。

持病のある猫や高齢猫には様子を見ながら

心臓疾患やてんかんなどのある猫は、強い刺激が症状を悪化させる可能性があります。

こんなアイテムも!マタタビの使い方いろいろ

またたびパウダーをなめる猫

マタタビはさまざまな形で市販されています。
用途や愛猫の好みに合わせて選びましょう。

タイプ特徴おすすめの使い方
粉末効果が強め、使いやすい爪とぎ・おもちゃ・ご飯に少量
スティック(枝)噛むのが好きな子に◎デンタルケアにも
ドライフルーツ香りが強く、保存性が高いおもちゃに詰めて遊ばせる
スプレー香りだけ使いたいときに便利ベッドやキャリーにひと吹き

まとめ:マタタビは、猫の本能に働きかける“自然の恵み”。安全に、賢く活用を

虫よけやストレスケアなど、マタタビの働きは科学的にも注目されています。
反応には個体差があるとはいえ、猫の行動を理解するヒントとしても役立つ存在です。
ぜひ、安全性を考慮しながら、猫とのコミュニケーションに取り入れてみてください。