シャルトリューに出会った日のこと
あなたは、“目が合った瞬間に心がほどける猫”に出会ったことがありますか?
フランス原産の猫「シャルトリュー」は、まさにそんな存在です。
青みがかったグレーの被毛に、じっと見つめる琥珀色の瞳。
言葉を交わさずとも、どこか心を読まれているような気がして、気づけば静かに寄り添いたくなってしまう…。
この記事では、シャルトリューという猫がもつ“深い魅力”を、性格や暮らしやすさ、歴史など多角的にひも解きながら、やさしくご紹介していきます。

ブルーグレーの被毛に秘められた魅力
シャルトリューを見たことがある方なら、まずその美しい被毛に心を奪われたことでしょう。
一般的には「ブルー」と呼ばれますが、実際にはグレーと青の中間色。
光の当たり方で表情を変え、ときにはシルバーに、ときにはスモーキーに輝きます。
この被毛はダブルコートと呼ばれる二重構造で、
やわらかく密度があり、触れるとぬいぐるみのようなモチモチ感があります。
そして、もうひとつ特徴的なのが“笑っているような口元”。
口角がきゅっと上がって見える顔立ちは「シャルトリュー・スマイル」とも呼ばれ、
この猫の穏やかな性格を象徴しているかのようです。

性格は「控えめなやさしさ」
シャルトリューはとても静かな猫です。
大声で鳴いたり、過剰に甘えたりすることはあまりなく、
どちらかというと「そっと隣にいる派」の猫種です。
しかし、だからといって冷たいわけではありません。
たとえば、あなたが静かに本を読んでいると、何も言わずに隣に来て、丸くなって眠る…。
その行動だけで「好きだよ」と伝えてくれるような不思議なあたたかさを持っています。
また、シャルトリューはとても賢く、空気を読むのが上手。
来客時に騒がない、病気のときにじっと寄り添ってくれる、といった話もよく聞かれます。
“干渉しすぎない愛情”
それこそが、シャルトリューが持つ最大の魅力かもしれません。
フランスで愛された“修道士の猫”
シャルトリューの歴史は古く、なんと中世のフランスにまでさかのぼります。
「シャルトリュー」という名前は、グランド・シャルトルーズ修道院(La Grande Chartreuse)に由来すると言われており、
修道士たちとともに静かな暮らしをしていたと伝えられています。
その頃から、人間と静かに共存することに長けていた猫だったのです。
また、フランスの文豪コレットや、元フランス大統領シャルル・ド・ゴールもシャルトリューを愛していたという記録があり、
「フランスの国猫」とも呼ばれるほど、文化的にも特別な存在となっています。
シャルトリューは飼いやすい猫?

実は、シャルトリューは初めて猫を飼う人にもおすすめされることの多い猫種です。
その理由は以下の通りです。
- 鳴き声がとても小さく、静か
- 基本的に落ち着いていて、いたずらが少ない
- 人見知りしにくく、環境への適応力がある
- 体が丈夫で、病気になりにくい傾向
ただし、ダブルコートの被毛を持つため、換毛期(春・秋)は抜け毛が多くなることがあります。
そのため、ブラッシングは週2〜3回を目安に行うと、被毛を美しく保つことができます。
また、適度な運動も大切です。
シャルトリューは骨太で筋肉質な体型ですが、太りやすい体質でもあるため、
キャットタワーや猫じゃらしなどで、無理のない範囲で動く機会をつくってあげましょう。
潜在ニーズ:癒しと“心の余白”
「猫を飼いたいけれど、忙しくて十分かまってあげられないかも…」
「にぎやかすぎる猫だと、ちょっとしんどいかも…」
そんな思いを抱えている方にこそ、シャルトリューはぴったりです。
この猫は、ひとり遊びも得意で、飼い主が忙しいときは静かに待っていてくれます。
でも、ふと目が合うと、まるで“おかえり”と言ってくれているようなまなざしを向けてくれるのです。
人との距離感がうまく、心に“余白”をくれる存在。それがシャルトリューという猫なのです。
一緒に暮らすという“深み”

シャルトリューと暮らすというのは、
“刺激的な日々”というより、“しみじみと満たされる日々”に近いかもしれません。
たとえば、雨の日。
窓の外をぼんやり見つめながら、ソファで膝を折るシャルトリュー。
その姿を横目に、あたたかい飲み物を口にする——
そんなありふれた日常が、じんわりと美しくなるのです。
この猫の魅力は、一瞬でわかる派手さではなく、付き合うほどに沁みてくる静けさ。
まるで、長く読み継がれる古典のように、年月とともに味わい深くなる存在なのです。
さいごに
もしあなたが、猫との暮らしに「癒し」だけでなく、
“深い信頼関係”や“静かなぬくもり”を求めているなら——
シャルトリューは、きっと心に寄り添ってくれる“ブルーグレーの奇跡”になるはずです。
そのやさしさに、ぜひ一度ふれてみてください。
きっと、あなたの暮らしの中にもやさしい静けさが訪れるはずです。