ふんわりと折れた耳、丸い目、まるでぬいぐるみのような愛らしい見た目で人気を集めているスコティッシュフォールド。でも、そのチャームポイントである「折れ耳」には、私たちが知っておくべき大切な秘密があります。そして、見た目の可愛さだけでは語れない、性格のやさしさにも多くの魅力が詰まっているのです。
この記事では、スコティッシュフォールドの耳の構造やその由来、健康面の注意点、そして穏やかで人懐っこい性格の特徴まで、深掘りしてお伝えします。
折れ耳は突然変異から生まれた

スコティッシュフォールドの最大の特徴である「折れた耳」。この独特な形は、実は自然発生した突然変異によるものです。1961年、スコットランドの農場で生まれた白猫「スージー」が、この折れ耳を持っていた最初の猫として知られています。
その後、スージーの子孫が繁殖される中で、この折れ耳は遺伝することがわかり、スコティッシュフォールドという新しい猫種として認められていきました。
折れ耳は軟骨の異常?健康面での注意点
この耳の折れ方は、実は軟骨の形成不全(軟骨異常症)によって起こるものです。耳だけでなく、足や尻尾の関節にも影響を及ぼすことがあり、以下のような症状に注意が必要です。
- 歩き方がぎこちない
- 尻尾をあまり動かさない
- 抱っこや触られることを嫌がる
これらは「骨軟骨異形成症(OCD)」と呼ばれる疾患の可能性があります。
健康に配慮した繁殖が重要
近年では、折れ耳同士を交配することは避けるべきという認識が広がっています。理由は、折れ耳同士の掛け合わせによって、骨の異常が強く出てしまうことがあるからです。
そのため、立ち耳のスコティッシュフォールド(通称:ストレート)との交配が主流になっています。立ち耳の子も、性格や体格は折れ耳の子と変わらず、とても魅力的です。
スコティッシュフォールドの性格:まるで癒しのかたまり

スコティッシュフォールドは、見た目のかわいさだけでなく、性格のやさしさでも多くの飼い主に愛されています。具体的には、以下のような特徴があります。
おだやかで優しい
騒いだり暴れたりすることが少なく、穏やかな性格をしています。多頭飼いや小さなお子さんがいる家庭でも、比較的ストレスを溜めにくいタイプです。
甘えん坊だけど、べたべたしすぎない
飼い主さんにそっと寄り添うような距離感で愛情を伝えてくれるのも魅力のひとつ。膝に乗ってくる子もいれば、近くにいるだけで満足する子もいて、無理に構う必要がないのが嬉しいポイントです。
賢くて覚えが早い
比較的知能が高く、しつけやすいとも言われています。トイレや爪とぎの場所をすぐに覚える子も多く、初心者にも向いています。
気をつけたい生活面のポイント

スコティッシュフォールドを飼ううえで、注意すべきポイントもいくつかあります。
1. 運動不足に注意
おっとりした性格ゆえに、運動量が少なくなりがちです。肥満にならないように、遊び時間を意識的に作ってあげることが大切です。
2. 関節への負担を軽減する環境づくり
骨や関節に不安がある猫種のため、高い場所にジャンプしなくても暮らせるレイアウトや、段差の少ない生活空間を整えてあげましょう。
3. 定期的な健康チェックを
スコティッシュフォールドは、健康上のリスクを抱える可能性がある猫種です。定期的に動物病院で検診を受け、早期発見・早期対処を心がけましょう。
折れ耳だけじゃない、魅力あふれる存在

スコティッシュフォールドは、その折れた耳で人目を惹きますが、実は内面の穏やかさや優しさが、飼い主との暮らしをより温かいものにしてくれる存在です。
「見た目がかわいいから」だけではなく、その背景にある身体の特徴やリスクを理解すること。そして、適切なケアと愛情で寄り添ってあげること。それが、スコティッシュフォールドとの暮らしをもっと豊かにする第一歩です。
まとめ
- 折れ耳は軟骨異常による特徴で、健康面の配慮が必要
- 性格はおだやかで人懐っこく、初心者にも向いている
- 運動や生活環境に気を配り、関節の負担を軽減することが大切
- 立ち耳のスコティッシュフォールドも健やかで魅力的
その小さな体に、大きな優しさを持ったスコティッシュフォールド。正しい知識と愛情で、ずっと一緒に笑顔でいられる暮らしを目指しましょう。