街角の小さなお店に入ると、レジの横で猫が丸くなって眠っている。
そんな光景を見たことはありませんか?
日本にも「看板猫」がいるお店がありますが、ニューヨークには少し特別な存在がいます。その名も「ボデガキャット(Bodega Cat)」。
SNSや動画サイトで見かけたことがある方もいるかもしれません。商品棚の上でくつろいだり、お客さんをじっと眺めたりするその姿は、まるでお店の一員のようです。
今回は、ニューヨークで長年愛されてきたボデガキャットについてご紹介します。
ボデガキャットとは?

ボデガキャットとは、ニューヨークにある「ボデガ」と呼ばれる小規模な商店で暮らしている猫のことです。
ボデガは、日本でいうコンビニや雑貨店、食料品店を合わせたようなお店です。
飲み物やお菓子、日用品などが並び、地域の人々が日常的に利用しています。
そして、その店内で生活している猫たちがボデガキャットです。
ただし、単なるペットではありません。
もともとはネズミ対策のために飼われていた猫たちなのです。
なぜお店で猫を飼うようになったの?
ニューヨークは世界有数の大都市ですが、その一方でネズミの多い街としても知られています。
特に食品を扱う店舗では、ネズミによる被害は深刻な問題でした。
そこで昔から活躍してきたのが猫です。
猫は優れたハンターであり、ネズミがいるだけで警戒する存在です。
実際には捕まえなくても、
- 猫のにおい
- 猫の存在感
- 猫の行動範囲
によってネズミが近寄りにくくなることがあります。
そのため、多くの店主が猫を迎え入れるようになりました。
ボデガキャットは、いわばお店を守る「警備員」として活躍してきた歴史を持っているのです。
いつの間にか街の人気者に
しかし、人々がボデガキャットを好きになった理由は、ネズミ対策だけではありません。
店に通うお客さんたちは、次第に猫たちの存在に親しみを感じるようになりました。
棚の上で昼寝をしていたり、入り口付近で日向ぼっこをしていたり。
ときにはレジの近くで店番をしているように見えることもあります。
そんな姿は、お客さんにとってちょっとした癒やしになりました。
「今日は猫いるかな?」
そんな気持ちで来店する人も少なくありません。
ボデガキャットは、地域コミュニティの一員として愛される存在になっていったのです。

看板猫とは少し違う?
日本の猫好きから見ると、ボデガキャットは「看板猫」と似ているように感じるかもしれません。
確かに共通点はあります。
どちらもお店の人気者であり、お客さんから親しまれています。
ただし、成り立ちには違いがあります。
日本の看板猫は、
- 猫好きのお客さんを楽しませる
- お店の雰囲気づくり
- 店の個性になる
といった役割を持つことが多いです。
一方、ボデガキャットはもともと害獣対策から始まった存在です。
つまり、
「働く猫」として迎えられた歴史がある
という点が特徴的です。
その背景を知ると、同じお店の猫でも少し見え方が変わってきますね。
ボデガキャットは法律的に問題ないの?
ここで気になる方もいるかもしれません。
「食品を扱う店に猫がいて大丈夫なの?」
実はこの問題は、ニューヨークでもたびたび議論されています。
衛生面の観点から、食品を扱う場所への動物の立ち入りにはルールがあります。
一方で、多くの地域住民はボデガキャットを支持しています。
長年にわたり地域を支えてきた文化でもあり、多くの人に愛されているからです。
現在でもボデガキャットは数多く存在しており、SNS上では専用のファンコミュニティまで生まれています。
まさにニューヨークならではの文化といえるでしょう。
猫は昔から人の暮らしを支えてきた
実は、猫が人間の生活を助けてきた歴史はとても長いものです。
農耕が始まった時代、人々は穀物を保管するようになりました。
すると、その穀物を狙うネズミも増えていきます。
そこで重宝されたのが猫でした。
船の上でネズミ対策を担う「船猫」も有名です。
世界中の港町で猫たちが活躍していました。
ボデガキャットも、その流れを受け継ぐ存在と考えることができます。
私たちは猫をかわいい家族として見ていますが、長い歴史の中では人と協力して暮らしてきたパートナーでもあったのです。
ボデガキャットが愛される理由

ボデガキャットの人気は、単に猫がかわいいからだけではありません。
そこには人々の暮らしとの距離感があります。
高級なキャットショーの猫でもなければ、有名なインフルエンサー猫でもありません。
毎日同じ場所で過ごし、地域の人たちを見守る存在です。
学校帰りの子ども。
仕事帰りの会社員。
買い物に来た高齢者。
そんな人たちが自然に猫と顔見知りになっていきます。
その姿は、どこか昔ながらの商店街の雰囲気にも通じるものがあります。
だからこそボデガキャットは、多くの人の心を惹きつけるのでしょう。
おわりに
ニューヨークの街で暮らすボデガキャットたちは、単なる「お店の猫」ではありません。
もともとはネズミ対策として活躍しながら、いつしか地域の人々に愛される存在になりました。
レジ横で眠る姿も、商品棚の上でくつろぐ姿も、街の日常に自然と溶け込んでいます。
猫と人との関係は何千年も続いてきました。
そしてボデガキャットは、その長い歴史が今も続いていることを感じさせてくれる存在です。
もしニューヨークを訪れる機会があれば、観光名所だけでなく、街角の小さなボデガにも目を向けてみてください。
そこには、今日もお店を見守る一匹の猫がいるかもしれません。

