こんにちは、猫好きのみなさん。
今回はちょっぴり歴史の旅へとご案内します。
テーマはなんと…「武士と猫」。一見、意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、
その関係をたどっていくと、しずかに寄り添ってきた深い縁が見えてくるんです。
武士の屋敷に“ねこ番”がいたってホント?
江戸時代。武士たちの屋敷は、見た目こそ格式高く立派ですが、内部には大切な書物や米蔵がずらり。
そしてそれらを狙ってやってくるのが、ネズミたち。
そんなとき、登場したのが——猫!
実は、猫はネズミ退治のエキスパートとして、武士の屋敷でも重宝されていたんです。
特に、巻物や紙を守る必要があった書庫では、猫が「番人」のような役割を果たしていたと言われています。
当時の記録にも「猫を大事に扱うべし」と書かれていることがあり、
猫は“ねこ番”として正式に飼われていた例もあるそうですよ。
豪徳寺に伝わる、猫と大名の“ありがたきご縁”

猫と武士の関係を語る上で外せないのが、世田谷の豪徳寺にまつわる伝説です。
時は江戸時代。彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰り、突然の雷雨に見舞われたときのこと。
木の下で雨宿りしていると、近くの寺の門前に白猫が手招きしているのを見かけます。
「おや? 招いている…?」
と不思議に思い、ふらりとその寺へ。すると、すぐに雷が落ちて木が真っ二つ。
命拾いをした井伊直孝は、そのお礼に寺を支援したのだとか。
このときの“招き猫”伝説が、現代の「招き猫」の原型とも言われています。
武士と猫が命を救い合った、なんとも心温まるお話ですね。
浮世絵や根付にも登場!?猫と武士の美しい意匠

猫はその可愛らしい姿だけでなく、しなやかで品のある所作から、江戸の美意識にもマッチした存在でした。
江戸後期の浮世絵師・歌川国芳は、とくに猫好きとして有名。
彼の作品には、猫を擬人化して武士に見立てた絵や、
猫が登場するユーモラスな風刺画がいくつも存在しています。
また、当時の男性が身につけていた小物「根付(ねつけ)」にも、
猫の姿が彫られたものが見つかっています。
刀や着物に“猫模様”が使われることは稀でしたが、
粋な武士たちが、密かに猫モチーフを楽しんでいた可能性もあるのです。
猫の“静けさ”に、武士の心が重なった?
戦国時代や江戸時代、武士たちは「無駄のない所作」や「静かな集中力」を何よりも尊びました。
それは剣術にも、書道にも、日々の所作にも。
そんな価値観と、猫のふるまいは不思議と重なります。
- 足音を立てずに歩く
- 一瞬の動きに集中する
- 必要以上には動かない
こうした猫のしぐさに、武士たちは“心の美”を感じていたのかもしれません。
まるで、猫が小さな侍のように見えていたのではないでしょうか。
城跡や寺に、なぜか猫が多い理由とは?

現代でも、全国のお城や武家屋敷跡、神社仏閣には、不思議と猫たちが集まってきます。
たとえば…
- 松山城(愛媛県):猫が門番のように出迎えてくれることで有名
- 会津若松城(福島県):周辺で地域猫たちがのんびりと暮らしている
- 豪徳寺(東京都):招き猫だらけの空間で、猫好きにはたまらないスポット
これらの場所にいる猫たちは、観光客からも愛され、
まるでその土地の“守り神”のような存在になっています。
偶然かもしれません。でも、かつて猫と武士が心を通わせていた場所に、いまも猫がいると思うと、なんだか胸があたたかくなりますね。
おわりに:猫は“小さな侍”だったのかも

武士の時代。
きらびやかな刀や鎧のかげで、そっと息をひそめる猫の姿があったかもしれません。
戦を選ばず、争わず、けれど確かな気配と集中力で、自分の役目を果たす——
そんな猫の姿は、もしかすると、“武士の理想像”に一番近かった存在なのかもしれません。
猫は、決して語らず。
でもそのしっぽの動きや、じっとしたまなざしが、何かを伝えてくれる。
それはまるで、静かに生きる武士のよう。
だから今も、わたしたちは猫に“美しさ”や“誇り”を感じてしまうのかもしれませんね。

