ふと見たら、うちの猫がセーターのすそをカミカミ…。
「え?それ食べ物じゃないよ?」なんて声をかけたくなるこの行動、実は「ウールサッキング」と呼ばれる行動のひとつなんです。
布を吸ったり噛んだりするこのクセ、どうして起こるの?
やめさせるべき?それとも見守っていいの?
今回は、そんなちょっと気になる「ウールサッキング」について、やさしく解説していきます。
ウールサッキングってどんな行動?
まずは用語の意味から確認しましょう。
「ウールサッキング(Wool Sucking)」とは、猫が布製品を舐めたり吸ったり、噛んだりする行動のことです。
もともとは“羊毛(ウール)”の布を吸う行動から名づけられましたが、実際にはこんなものが対象になることも:
- セーターやひざ掛け
- 毛布やタオル
- 靴下や衣類
- ぬいぐるみ
- カーテンやクッションカバー など
中には、布の端っこをちゅぱちゅぱ吸って、うっとりしている子もいますよね。
なぜ猫は布を噛むの?主な理由4つ

1. 幼少期の“名残り”が関係していることも
ウールサッキングは子猫時代の授乳行動の延長として現れることがあります。
とくに早くに母猫から離された子猫や、人工哺育で育った猫は、この傾向がやや強め。
母乳を吸うような感覚で布をチュパチュパすることで、安心感を得ている可能性があります。
人間でいう「おしゃぶり」や「指しゃぶり」に近い感覚かもしれませんね。
2. ストレスのサインとして現れることも
猫は意外と環境の変化や孤独に敏感な動物。
引っ越し、同居動物との不仲、飼い主さんの不在が増えた、などの変化があったときに、ストレス解消の一環として布を噛むことがあります。
特に以下のような変化があったときは要チェックです:
- 最近、家具の配置が大きく変わった
- 多頭飼いをはじめた
- 留守番の時間が長くなった
- 家族構成が変わった
「落ち着かない気持ちを噛むことで紛らわせている」そんなふうに受け取ってあげることも大切です。
3. 単なる“クセ”になっている場合も
きっかけは授乳の名残りやストレスでも、習慣化してクセになっている子もいます。
特にお気に入りの毛布や、子猫の頃から使っているタオルにだけやる場合は、安心のルーティンとして楽しんでいるのかもしれません。
このタイプのウールサッキングは、必ずしも問題とは限りません。
ただし、誤飲や体調への影響がないかは、日ごろから見守ってあげるのがポイントです。
4. 栄養の偏りや疾患のサインの場合も
まれにですが、ミネラル不足や消化器系の異常など、健康面の問題が隠れているケースも。
特に、
- 布以外のものも食べようとする(異食行動)
- かじる勢いが異常に強い
- 食欲や便の様子がおかしい
といった様子が見られたら、獣医さんに相談するのが安心です。
やめさせたほうがいい?それとも見守る?
ウールサッキングを目にしたとき、気になるのが「やめさせるべきかどうか」ですよね。
以下のようにケースバイケースで判断するのがおすすめです。
【見守ってOKな場合】
- 布を噛むのが軽度で、時間も短く頻度も少ない
- 特定のアイテムだけに限定されている
- 布の繊維を飲み込んでいない
- 猫自身がリラックスして楽しんでいる様子
こうした場合は、無理にやめさせる必要はなく、安全な環境を整えて見守るというスタンスで十分です。
【注意したほうがいい場合】
- 布を食べようとしている/飲み込んでいる
- 家のあちこちで布を探している
- 家具や電気コードなど、危険なものまでかじる
- ストレスサイン(粗相、毛づくろい過多、食欲減退など)が見られる
- 飼い主さんの目を盗んででもやる
このような場合は、誤飲や健康被害のリスクが高まるため対策が必要です。
ウールサッキングの対策と工夫
では、やめさせたいときや、頻度を減らしたいときはどうすればよいのでしょうか?
以下に実践しやすい対策をまとめました。
✅ 安全なおもちゃを用意して気を逸らす
猫が夢中になれる噛みごたえのあるおもちゃやキッカーを与えて、代替行動を促す方法は有効です。
- またたび入りのぬいぐるみ
- 噛める布素材のキッカー
- カシャカシャ音が出る玩具 など
「噛んでもOKなもの」を明確にすることで、誤解を防ぎやすくなります。

✅ ストレスのもとを見直す
愛猫のストレスをやわらげる工夫も大切です。
- 遊びの時間を増やす(1日2回以上が理想)
- 上下運動できるスペースを用意する
- お気に入りの隠れ場所を確保してあげる
- 同居猫との相性や環境の見直し
飼い主さんの声かけやスキンシップも、猫にとっては立派な「癒し」です。
✅ 危険な布は片づけて誤飲を予防
猫がよく狙う布製品は、見えないところにしまうのが一番の予防策です。
- ぬいぐるみはクローゼットへ
- 毛布は使っていない時はボックスに収納
- 靴下や衣類は引き出しにしまう
特に、糸がほつれやすい布や化学繊維の布は要注意。
誤飲は腸閉塞などの大きなトラブルにつながることもあります。
✅ それでも続く場合は獣医師に相談を
対策をしても行動が変わらない、または激しくなるようなら、動物病院で相談を。
場合によっては、行動療法やサプリメントを併用して改善を図ることもあります。
おわりに:カミカミの奥にある“猫の気持ち”を見てみよう
ウールサッキングは一見、ちょっと不思議で「なんでそんなことを?」と思う行動ですが、
その背景には安心を求める気持ちや、ちょっとしたSOSのサインが隠れていることも。
「それ、おいしいの?」と問いかけたくなるその瞬間に、
猫なりの心の動きがあるのかもしれません。
毎日の暮らしの中で、その小さなサインをやさしく見つめていけたら、
猫との絆はますます深まっていくことでしょう。

