ふわふわの毛並み、大きなまんまるおめめ、ちょこんと座るその姿…。
猫って、どうしてあんなにかわいいのでしょう。
最近はSNSでも猫の動画や写真が大人気で、「うちにも猫がいたらなあ」と憧れる方も多いはず。
でも、もしあなたがこれから猫との暮らしを考えているなら、ちょっとだけ立ち止まってほしいのです。
「猫の一生を預かる」って、どういうことなんだろう?
この記事では、猫を家族に迎える前に知っておきたいことを、やさしくお伝えしていきます。
猫と暮らすこと、それは「ずっと」を引き受けること

猫の寿命は、平均で15年ほど。
長生きの子だと20年近く一緒にいられることもあります。
これは、人間の時間に置きかえると、赤ちゃんを育てて大学生になるまで見守るくらいの長さ。
「今日かわいい」だけじゃなく、「ずっと一緒にいたい」と思えるか。
その問いに、やさしく「うん」と答えられるかどうかが大切なんです。
できなくなること、増えるかも?
猫との暮らしは、楽しいことばかりではありません。
ときには「ちょっと我慢」や「工夫」が必要になることもあります。
たとえば…
- 旅行が気軽にできない(お留守番の手配や健康管理が必要)
- 家具が爪とぎの餌食に(これはあるあるです…!)
- 夜中に運動会(眠れない日もあります)
- 急な出費(病院代やペット保険、フードの変更など)
これらを「不便」と思うか、「家族との日常」と受け止められるか。
それによって、猫との暮らしの心地よさは変わってきます。
「最期まで」の意味を考える

猫は人間よりも早く歳をとります。
いつか、お別れの日がやってきます。
それは、考えたくないことかもしれません。
でも、猫は飼い主さんだけが頼りです。
病気になったとき、歩けなくなったとき、ごはんが食べられなくなったとき…
「最期の瞬間までそばにいる覚悟」が必要です。
もちろん、最期までずっと元気で過ごせる子もたくさんいます。
だけど、そうじゃなかったときにも、
「この子に出会えてよかった」と思える未来を目指してほしいのです。
お金のこと、意外と大事です
猫と暮らすには、それなりの経済的な余裕も必要です。
目安として、1年間にかかる費用は以下の通り:
- フード・おやつ代:月3,000~5,000円
- トイレ用品(砂やシートなど):月1,500〜3,000円
- 健康診断・ワクチン:年5,000〜20,000円
- 突発的な病院代:月0〜不明(数万円単位のときも)
これらを10〜20年にわたって用意できるかどうか。
「思ってたよりかかるな」と感じたら、じっくり検討してみるのも◎です。
でもね、それでも猫との暮らしは本当に愛しい

ここまで少しだけ、シビアなお話もしてきました。
でも、どうか誤解しないでくださいね。
猫との暮らしは、本当にかけがえのない宝物です。
- あなたの帰りを、玄関で待っててくれる。
- 落ち込んでいると、そっと寄り添ってくれる。
- お気に入りの毛布で、すやすや眠る寝顔を見て、ほっとする。
そんな瞬間の積み重ねが、「家族」になっていくのです。
飼うんじゃなく、「一緒に生きる」ということ
猫はペットではなく、「ともに生きる存在」。
だからこそ、迎える前に考えてほしいのです。
- 10年後、15年後の自分の生活はどうなっているか?
- もし引っ越すなら、ペット可の家に住めるか?
- 自分に何かあったとき、猫を託せる人はいるか?
すべて完璧じゃなくても大丈夫。
でも、「こうなったらどうしよう」を少しだけ想像するだけでも、猫の未来は変わります。
「一生のお世話」は、きっとあなたをやさしくする

猫は言葉を話しません。
でも、表情やしぐさ、しっぽやまばたきで、たくさんのことを伝えてきます。
その一つひとつをくみ取ろうとするうちに、
私たちは自然と、やさしくなっていくのかもしれません。
「ごはん、もう少しでなくなるな」
「なんか今日は元気ないな」
「寒くなってきたから、毛布を足してあげよう」
そんな“誰かを思う習慣”が、日常になっていくのです。
まとめ:迷うことは悪いことじゃない
「かわいいから飼いたい」
その気持ち、とっても素敵です。
でも、「本当に飼えるかな」と迷うことも、同じくらい大切です。
迷った末に迎えた子とは、きっと深い絆が生まれます。
猫にとっても、あなたにとっても、しあわせな時間になりますように。
猫の一生、まるごと預かるということ。
それは、決して「重たいこと」じゃありません。
あなたの愛情が、きっとその子の一生を照らしてくれます。
だからこそ、出会ったその日から“最期のとき”まで、寄り添う覚悟がそっと芽ばえるのです。
その子にとっての「最後の飼い主」になる覚悟、今、胸に抱いていますか?

