「うちの猫、お手ができるんです!」
そんな話を聞いて、「えっ、猫って“お手”覚えるの!?」とびっくりしたこと、ありませんか?
犬なら当たり前のようにできる「お手」や「おすわり」。
でも、自由気ままでマイペースな猫に“しつけ”って本当に可能なの?
と、思っちゃいますよね。
実は、猫もちゃんと学んで芸を覚えたり、行動を少しずつ身につけたりできる子たちなんです。
今回は、そんな猫のしつけ事情をやさしく、楽しく、そしてちょっぴり実践的に掘り下げてみましょう!
そもそも猫に“しつけ”って必要なの?

「猫は犬と違って、しつけなんていらない」
…そう思われがちですが、実はそうとも限りません。
たとえばこんな場面、ありませんか?
- カーテンに登ってビリビリ…
- 夜中に走り回って寝不足…
- トイレの場所がいつの間にか違う…
こうした困った行動が、猫との暮らしにちょっぴりストレスを感じさせることも。
そんなときに、“しつけ”というよりも「生活ルールを一緒に整えていく」という感覚で関わることが、猫にとっても人にとっても心地いい毎日につながります。
覚えられるにゃ!猫のしつけは可能です
まず大事なのは、「猫も学習する動物」だということ。
しかも、猫は…
- 「うれしいこと(ごほうび)」を繰り返すとその行動が増える
- 「イヤなこと」が続くとその行動を避ける
という“オペラント条件づけ”がちゃんと働くんです。
これは、人間の子どもや犬と同じ。
ただし、猫の場合は“気分”や“タイミング”がとっても大事!
「お手」を覚える猫、実はけっこういる?

最近ではSNSでもよく見かける、お手をする猫ちゃん。
実はこれ、ちゃんとトレーニングすれば覚えられる子が多いんです。
ポイントは、以下の3つ:
1. おやつを使ってポジティブ強化
猫の鼻先におやつを見せて、前足を手のひらに乗せるように誘導し、できたらすぐにご褒美!
この「手を乗せると良いことが起きる」という体験を繰り返すことで、徐々に覚えていきます。
2. 名前をつける(=コマンド化)
「お手!」という声かけとセットで行うことで、
声を聞いた→前足を出す→ごほうびがもらえる
という流れが定着しやすくなります。
3. とにかく短時間&成功で終わる
猫は集中力が短いので、1回のトレーニングは1〜2分以内がベスト。
そして失敗ではなく「成功して終わる」ことがとても大切です。
しつけで大切な3つの“にゃん心”
猫と上手にしつけを進めるには、次の3つを意識しましょう。
🐾 その1:無理強いしないにゃ!
猫は「やらされる」のが苦手な生き物。
機嫌が悪そうなとき、眠たそうなときにトレーニングをすると逆効果です。
“やる気スイッチ”が入ったときにちょこっと楽しくがコツ!
🐾 その2:「叱る」より「褒める」が100倍効果的にゃ
猫に大きな声で怒っても、たいてい「なんか嫌なこと言ってる?」程度にしか思われません。
それよりも、うまくできたときに褒めてごほうびの方がずっと伝わります。
🐾 その3:焦らず、比べず、気長ににゃ〜
猫の性格は十猫十色。
できる子もいれば、なかなか覚えない子もいます。
「うちの子、全然できない!」なんて思わずに、気長に“遊び”の延長として楽しむくらいがちょうどいいのです。

「お手」以外にできることもたくさん!
「お手」だけでなく、猫が覚えられるしつけや芸はいろいろあります。
✔ トイレのしつけ(最初の大切なステップ)
これは子猫時代に身につける子が多いですが、
場所が変わったときや多頭飼いでは再調整が必要なことも。
✔ 「おいで」や「名前呼び」への反応
ごはんやおやつの前に名前を呼んでみましょう。
繰り返すうちに、名前=いいことがあると覚えて近寄ってきてくれるようになります。
✔ ハイタッチ・ターン・トンネルくぐり など
遊びの中で自然と覚える子も。
おもちゃやおやつを上手に使って、猫が「楽しい!」と感じる工夫をしてあげましょう。
「しつけ」=「人の都合」にならないように
ここでちょっと立ち止まって考えたいのが、「しつけ」の意味。
私たち人間が「こうなってほしいな〜」と思うことを押しつけすぎると、
猫にとってはストレスになってしまうこともあります。
大切なのは、お互いの心地よさを大事にすること。
- 危険なことは教えてあげる
- ルールを少しずつ伝える
- 成功体験を積ませて自己肯定感を育てる(←猫にもある!)
そんなふうに、「一緒に暮らす」ためのしつけを考えていけたら素敵ですよね。

まとめ:「猫のしつけ」は、信頼と遊びの延長に
「お手もできるにゃ?」というセリフが現実になるのは、
決して夢の話ではありません。
でも、それを目指すことよりももっと大事なのは……
“できてもできなくても、この子との時間が楽しい”
という気持ちかもしれません。
猫は、あなたのまなざしや声、ふれあいのなかから、
ちゃ〜んと“信頼”を感じ取ってくれています。
だからこそ、しつけも芸も、信頼の延長線にある遊びのひとつ。
今日もまた、「お手できるかな〜?」なんて声をかけながら、
にゃんこ時間を楽しんでくださいね。

