部屋の棚の上、冷蔵庫の上、キャットタワーのてっぺん…。
猫って、なんであんなに高いところが好きなんだろう?
気づけば「えっ、そこ登ったの!?」という場所にちょこんと座って、満足げな顔をしていること、ありますよね。
今回は、そんな“高い場所を愛する猫たちの本能”に注目してみました。
思わず「なるほど〜!」とうなずきたくなる“ひみつ”が、いっぱい隠れているんですよ。

猫の「高いところ大好き」は、野生の名残?
猫が高所を好むのには、本能的な理由がちゃんとあります。
それは、猫がかつて「木の上で暮らしていた」動物だったことに由来します。
- 木の上は安全地帯
野生時代、猫は天敵(オオカミや大型肉食動物)から身を守るため、木の上に逃げていたと考えられています。
高い場所=安心できる場所だったわけですね。 - 見晴らしのよい場所は観察に最適
猫は縄張り意識が強く、周囲の動きに敏感。高いところなら視界がひらけていて、「あ、あそこに鳥がいる」とか「あっちで音がした」など、いろんな情報をキャッチしやすいんです。
つまり、猫にとって高い場所とは、
「安全で、よく見えて、落ち着ける」理想的な場所なんです。
高所は“ステータス”!?上下関係とも関係あり
多頭飼いの猫たちが、キャットタワーでどの位置に座っているか、気になったことはありませんか?
実はこれ、“猫社会のポジション”と関係していることも。
とくに上下関係がはっきりしている猫同士では、「上にいる方がえらい」という認識になることもあります。
もちろん、すべての猫に当てはまるわけではありませんが、
- いつも上の段をキープしている子
- 下の方でのんびりしている子
それぞれの性格や関係性が表れているのかもしれませんね。
猫って見た目以上に、ちゃんと社会的な生き物なんです。
子猫や高齢猫も…登りたがる気持ちは同じ!
成猫だけでなく、子猫やシニア猫でも、高いところへの興味は健在です。
ただし、体力や運動能力には差があるので…
- 子猫の場合:登れる範囲は限られていますが、ジャンプの練習をしていることも。安全に登れる場所を用意してあげましょう。
- 高齢猫の場合:関節や筋力が衰えてきていることがあるため、段差をゆるやかにしたり、ステップを増やすなどの工夫が必要です。
「登りたいけど、登れない…」という猫の気持ちをくみ取って、安心して過ごせる“高い居場所”を作ってあげると喜んでくれるかもしれません。

猫の“お気に入りスポット”を見つけるコツ
「猫がくつろげる高い場所を作ってあげたいけど、どこがいいのかな?」
そんなときは、以下のポイントを参考にしてみてください。
✅ 静かで落ち着ける場所
人の行き来が少ない場所のほうが、猫は安心しやすいです。
✅ 外が見える窓際
外を眺めるのが好きな猫にとっては、窓の近くの棚やラックが人気スポットになることも。
✅ エアコンの風が直接当たらない場所
高所でも風が当たりすぎると落ち着けません。冷暖房の風の向きにも注意を。
✅ 布やマットで滑り止め対策
ツルツルした棚や冷蔵庫の上などは、フェルトやマットで滑り防止してあげると安心です。
「降りられない」に要注意!
猫が自力で登ったのに、「降りられない〜」と鳴いて助けを呼ぶこと、ありませんか?
これは意外とよくあることで、
登るのは得意でも、降りるのは苦手な猫も多いんです。
特に以下のような場合は、注意してあげてください。
- 一気に高くジャンプできたけど、降りる足場がない
- スリムな棚や冷蔵庫の上など、スペースが狭く方向転換しにくい
- パニックになって飛び降りて、ケガをしてしまうことも…
「登れるけど、降りられない」問題を防ぐには、サポート用のステップや踏み台を用意してあげると◎。
安心して探索できる環境をつくってあげましょう。

まとめ:高いところは、猫にとって“心地よい居場所”
猫が高所を好むのは、ただの気まぐれではなく、本能的な安心感・観察力・社会的行動など、いろんな要素が関係しているんです。
そして何よりも、猫にとっての“高い場所”は――
「自分だけのテリトリー」であり、「落ち着ける心のよりどころ」なのかもしれません。
おうちの中に、そんな“見晴らし最高スポット”を用意してあげれば、
今日もきっと、猫はごきげんに見下ろしてくれるはずです。
「ふふん、ここがいちばんにゃ♪」
…そんな声が聞こえてきそうですね。

