猫の毛づくろい姿は、見ているだけで癒されるもの。でも、そんな日常の中でふと気づく「毛玉のかたまり」。最初は小さなもつれでも、気づけばガチガチに固まっていた…なんて経験、ありませんか?
「バリカンで刈ってしまうべきか、それともブラシでじっくりほぐすか」
多くの飼い主さんが直面するこの悩み、実は猫の性格や毛質、皮膚の状態によって最適な対応が異なるんです。本記事では、毛玉ができる理由から、それぞれの対応法のメリット・デメリット、判断のポイントまでをわかりやすく解説します。
毛玉ってそもそもなぜできるの?
猫の毛玉とは、被毛が絡まり合い、フェルトのように固まった状態のこと。特に長毛種に多く見られますが、短毛種でも高齢や病気などでセルフグルーミングが減ると、発生しやすくなります。
主な原因は以下の通りです:
- 換毛期の抜け毛が絡まる
- 湿気や汚れで毛が束になる
- グルーミング不足(高齢・肥満・体調不良)
- ブラッシング不足

毛玉を放置しておくと、皮膚が引っ張られて炎症を起こしたり、通気性が悪くなって蒸れや皮膚病の原因になったりすることも。「ただの毛玉」と甘く見てはいけません。
切る vs. ほぐす:それぞれの選択肢と注意点
バリカンで「切る」選択肢
【メリット】
- 一瞬で処理できる
- 痛みやストレスが少ない(うまくできれば)
- 皮膚トラブルを予防できる
【デメリット】
- 誤って皮膚を傷つけるリスク
- 猫が嫌がる場合、危険を伴う
- 一度バリカンを使うと、また毛玉ができやすくなる部位もある
特に注意したいのは、毛玉と皮膚が密着している場合。無理に刈ろうとすると、皮膚を一緒に傷つけてしまう危険があります。自宅で処理する場合は必ず猫用の安全なバリカンを使い、1人が保定し、もう1人が作業する体制を取りましょう。
ブラシで「ほぐす」選択肢
【メリット】
- 皮膚への負担が少ない
- 猫とのスキンシップになる
- 毛玉の予防にもつながる
【デメリット】
- 時間がかかる
- 猫が痛がったり嫌がる場合がある
- 完全にほぐしきれないこともある

毛玉が軽度であれば、スリッカーブラシやコームで少しずつほぐすことが可能です。ただし、無理に引っ張ると猫が嫌がるばかりか、皮膚を傷めることにもなるため、必ず根元から少しずつ、優しく行ってください。
状況別・正しい判断ポイント
では、実際に毛玉を見つけたとき、どちらを選ぶべきなのでしょうか?以下に判断の目安をまとめました。
毛玉の状態 | おすすめの対処法 |
---|---|
表面だけ軽く絡まっている | ブラシでほぐす |
少し硬いが皮膚から離れている | ブラシ+毛玉カッターやハサミで慎重にカット |
ガチガチに固まり、皮膚に密着 | バリカンで慎重に刈る(または獣医・トリマーへ) |
猫が痛がる・皮膚炎がある | 自己処理せず、病院で診察を受ける |
猫の性格も大切な判断軸です。触られるのが苦手な子、暴れる子の場合は、無理に家庭内で処理せず、プロに依頼するのが安心です。
飼い主が知っておきたい、予防のための3つの工夫
毛玉を「できてから対処」するのではなく、「できにくい環境を整える」ことが何より大切です。
1. ブラッシングは毎日の習慣に
長毛種は特に、1日1回のブラッシングが理想的です。猫が嫌がらないブラシを選び、気持ちよくさせてあげる工夫を。

2. 静電気・湿気に注意
湿気の多い場所や、静電気が起きやすい環境では毛玉ができやすくなります。加湿器・除湿機の調整や、猫専用の静電気防止スプレー(※舐めても安全なもの)をブラシに少量つけて使用する方法もあります。ただし、人間用のスプレーや成分が不明なものは猫にとって危険な場合があるため、必ず「ペット用」と明記された製品を選びましょう。
3. 定期的なチェック
お腹・内股・脇など、猫がグルーミングしにくい部位は特に毛玉ができやすいので、こまめにチェックしてあげましょう。
最後に:一番大事なのは「猫にとってのやさしさ」
毛玉の処理は、見た目の問題だけでなく、猫の快適さや健康に直結する大切なケアです。しかし、対処の仕方によっては猫にとって強いストレスや痛みになってしまうことも。
大切なのは、「早めに気づくこと」「無理をしないこと」「猫にとって最善を選ぶこと」。
もしも悩んだら、無理に自分で解決しようとせず、動物病院や信頼できるトリマーさんに相談してみてください。
猫の健やかな被毛と、なにより“安心して過ごせる毎日”のために。
飼い主としてできることを、今日から少しずつ積み重ねていきましょう。